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社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫
税制適格年金だより12月号

今月号の話題:助成金について(中小企業緊急雇用安定助成金を中心として

昨年9月15日サブプライムローンにより破綻したリーマンブラザーズ事件を契機に世界中が連鎖的に経済大不況に陥ったことはまだ記憶に新しいところです。それから1年を経過し、経済指標でもようやく回復基調を見せてきたところ、今回はアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の信用不安をきっかけに世界中で株安連鎖と円の独歩高が発生し、わが国の経済界を震撼させております。そしてその影響は中小企業も直撃しております。

この厳しい経済環境の中で、雇用面でも異常事態が継続しており、直近発表された有効求人倍率(本年10月)は0.44であり、求職者の半分さえも求人が出ない凄まじい雇用情勢となっております。
 政府としてもこの事態を深刻に受け止め鳩山総理出席の下で第1回「雇用戦略対話」(本年11月25日)が開催され、@雇用維持支援の強化、A新卒者支援、B貧困・困窮者支援の対策を直ちに行うこととしました。この中で@雇用維持支援の強化は、労働者の雇用を維持する事業主への経済的支援(助成金)対象先を拡大するものであり、中小企業にとり朗報になる可能性もあります。  今回の事務所便りでは、経済不況の中でも雇用を維持しながら事業に取り組んでおられる中小企業事業主の方のために最も利便性が高く金額的に大きな中小企業緊急雇用安定助成金をご紹介いたします。

1.中小企業緊急雇用安定助成金について
(1).制度概要

景気変動の影響で売上高や生産量が減少した中小企業(*)が、雇用する従業員を一時的に休業(教育訓練・出向も対象)させた場合に、事業主に賃金の一部を助成する制度です。
*中小企業とは:業種毎(小売・卸売・サービス・その他)で資本金または従業員数が中小企業基本法で定める規模以下であり、助成金を受けるためには雇用保険に加入していることが必要です。

(2).申請要件・・・本年12月に「雇用戦略会議」で申請要件が拡大され直ちに実施

最近3か月の売上高や生産量がその直前3か月または前年同期と比較して5%以上減少
 (前期決算経常収益が赤字なら5%未満減少でも可)
 (本年12月新規追加)売上高や生産量が2年前同期と比較して10%以上減少し前期経常収益が赤字

(3).助成金受給額

従業員を休業させた場合一日当たり休業手当の80%(最高限度額7,730円)が受給可能。

*計算例
 生産調整のため、一日当たり平均賃金15,000円の従業員を20日間休業させたとき
A.事業主が従業員に支払う休業手当20日分
 15,000円×60%×20日=180,000円
 (休業手当1日の額)
B.中小企業緊急雇用安定助成金から支給される額
  15,000円×60%×80%×20日=144,000円
 (助成金一日の額)・・・最高限度額7,730円以下を確認
◎20日間休業の実質会社負担額(A−B):36,000円

(4).申請対象となる休業

従業員を丸一日休業させるか、事業所で1時間以上一斉休業させます。
 この上で、月単位労働日数の20分の1以上 
 を休業することで助成金対象となります。

(5).受給期間

3年間で300日の受給ができます。

(6).申請手続きについて

休業を実施する2週間以上前にハローワーク に必要書類を提出して確認を受ける必要があります(事後申請では受給できません)。
(注)助成金に必要な書類は詳細かつ多岐にわたるため、早目の準備が必要です。

2.助成金に関する全般情報

(1).助成金の特徴

・国(厚生労働省)が政策誘引のため事業主に支給する公的資金であり利子もつかず返済も不要です。
・助成金の財源は雇用保険料の会社負担分であり、雇用保険加入企業は受給申請可能です。
・助成金は支給事由毎にきめ細かく分かれ助成金の種類も数多くあるため、助成金を適用できる場合でも見過ごされる事例が多くあります。

(2).どのような時に助成金が受給できるか

助成金は実に様々な状況で多種類の申請が可能です。しかもその時々の政治判断・経済情勢で支給額や支給条件が異なり、また手続き的にも厳格のため専門家(社会保険労務士)に依頼し確実に受給を受けることをお勧めします。

どのような時に助成金が受給できるか(事例)
A.人を雇い入れた時(トライアル雇用奨励金)
B.雇用維持を図る(中小企業緊急雇用安定助成金)
C.中高齢者の活用を図る(中小企業定年引上奨励金)
D.障がい者雇用(特定就職困難者雇用開発助成金)
E.円滑な労働移動を図る(再就職支援給付金)
F.新制度導入を図る(育児休業取得促進助成金)
G.職場環境整備(両立支援レベルアップ助成金)
H.能力開発実施(雇用支援制度導入奨励金)
I.起業したとき(中小企業基盤人材確保奨励金)

〜当事務所よりのご連絡〜

新型インフルエンザと休業手当
新型インフルエンザに伴う休業手当(平均賃金の6割支給)について厚生労働省からQ&Aが出されましたので
特に注意すべき事項を掲載します。

Q1.感染の有無が定かでないが発熱等社員に一定の症状のある時 ⇒ 本人が自発的に休むときは通常通り病欠扱い。会社側が「○○度以上の熱」の者を強制休業させる規程の時は休業手当が原則必要
Q2.家族罹患等で社員が患者と濃厚接触している時 ⇒ 保健所による「自宅待機協力要請」が出されれば休業手当は不要です。
    (注)新型インフルは弱毒性が確認されており要請が出される可能性は少ない。
    要請ない場合に濃厚接触した社員を強制的に休業させる時には休業手当が必要。
Q3.罹患の疑いのある社員に対し有給休暇取得命令を出すことは可能か ⇒ 命令を出すことは出来ません(勿論社員が自発的に休暇申請することは差支えありません)。

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫

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