税制適格年金便り5月号をお届けしています。

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫

その社員募集方法再考してみませんか
・・・新たな助成金が創設されています


◆最近の景況観
少しずつ世の中の景気が明るくなるような情報が出始めています。例えばこの5月2日(日)の日経朝刊のトップページでは、「前期純利益 リストラが押し上げ」として、「上場3社に1社の純利益が危機前を超す」と報道されております。また、後記するようにアルバイトの時給が3カ月連続で上昇しています。景気回復の局面において正社員の賃金よりも先にパートやアルバイトの時給が上がる傾向がありますが、これも景気回復のシグナルかもしれません。

景気の段階的な回復を受けて企業によっては改めて社員募集を行うことが想定されます。これまでの伝統的な募集は経験者を優先して採用することです。例えば経理のスタッフ募集では簿記2級以上の実務経験者、営業では販売実務経験者から選考するなどです。

◆未経験者雇用に対する助成金の創設
しかしながら、全く未経験の者を試採用し、O.J.TやOff J.T(座学)を通して担当業務経験を積ませたのちに正社員雇用を行うと支給される新たな助成金(実習型雇用助成金)が創設されております。これは求職者のこれまでの職歴に制約されることなく会社に幅広く人材募集を行わせることで雇用市場の拡大を図りたいという厚労省の思いがあるのでしょうが、その助成金額も大きな金額であり、これから社員を採用しようと検討している企業では充分検討に値することと思います。なお、この助成金では応募企業の業種限定はありません。

実習型雇用助成金の助成金額 
1.試採用期間(6ヶ月間) 
毎月10万円
2.正社員雇用の際     
100万円(正社員として6カ月経過後50万円支給、更に6カ月後50万円支給)
合計支給額 160万円

一般的に助成金は支給条件が厳格に定められ、手続きが面倒で、支給申請期日を1日でも過ぎると受理されないという性格のものですが、ここは社会保険労務士に任せるとして無利子・無返済の資金が使えるならば利用しない手はないと思います。

とくに実習型雇用助成金は、募集業務に係る実務経験はなくとも、本人の潜在能力がある候補者の採用に対してはお勧めの助成金です。さらには実習型で採用した社員が会社の指導よろしく会社幹部として成長すれば一挙両得のこととなります。


アルバイトの時給が上昇傾向
・・・それは何故?


◆3カ月連続で前年同月比が増
2010年2月におけるアルバイトの全国平均の時給は989円(前年同月比2.1%増)で、3カ月連続で前年同月比が増加しました。なぜアルバイトの時給は上がっているでしょうか?

前記の通り一般的に、景気回復の局面においては、正社員の賃金よりも先にパートやアルバイトの時給が上がる傾向があると言われています。景気回復の初期には、企業は景気の先行きに慎重であり、正社員の賃金を上げたり採用を増やしたりせず、まずは時給を上げてパート・アルバイトの採用を増やそうとするためと思われます。その意味ではアルバイトは労働市場における調整弁となっております。

◆要因の1つに「派遣法の改正」
アルバイトの時給アップの1つの要因に、「労働者派遣法の改正」が挙げられています。
同法の改正についてはすでに当事務所便り4月号でご連絡しておりますが、「登録型派遣」や「製造業務派遣」を原則として禁止する改正のため派遣社員を活用していた多くの企業で、改正を前に、派遣社員ではなくアルバイトなどの採用を優先する動きが出ているようです。

しかし、派遣社員の方ではアルバイトよりも正社員を希望する人が多く、安定した仕事を求めている人をアルバイトとして雇おうとすると、時給を上げる必要があり、その結果、時給を押し上げる要因となっているようです。

◆学生の就活優先も一因
最近の就職難の中、アルバイトよりも就職活動に懸命な学生が増え、時給を上げないとアルバイトを集めにくくなっている状況もあります。就職市場が売り手市場であれば、早々と就職先を決めて、あとはアルバイトに精を出すこともあるのでしょうが就職氷河期の現在ではアルバイト市場に出回る学生の絶対数が少ないことも時給を押し上げる要因となっているようです。

また、アルバイト経験を就職活動に活かそうと考える学生が増えているため、学生が就職に役立つと考える「オフィスワーク」や「営業職」に人気が集まり、「家庭教師」や「引越し」などの分野を敬遠する傾向にあるようです。
学生の就職活動が厳しければ学生アルバイトの供給が少なくなり、それによりアルバイトの時給が上がるという構図もあります。
 



                 当事務所より一言

公益財団法人日本生産性本部が毎年決定している新入社員のタイプ名で、平成22年度の新入社員のタイプは「ETC型」だと発表されました。効率化を重視する一方で、人とのコミュニケーションが苦手な面があることから、高速道路を利用する際に料金所で停止することなく通過できるシステムの「ETC」になぞらえたとのことです。なるほど座布団1枚です。

37年前私が損害保険の会社に入った時代、新人は、コミュニケーションは当然としてノミニュケーション(飲み会)を断ろうものなら変人扱い、言語道断でした。今年の新入社員が課長になり部長になってもやはりETCのままなのでしょうか。
気になるところです。

どちらが良いとは言えませんが、今となって思い出すのは鬼より怖いと感じた上司との酒席での思い掛けない楽しいやり取りでした(しかし仕事では本当の鬼でした)
     
       

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫

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