渡邊人事労務パートナー事務所便り26年1月号をお届けします

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫
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皆様明けましておめでとうございます。新年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
この新たな年が皆様にとり更なる飛躍の年となるよう祈念申し上げます。
毎月皆様にお届けの渡邊人事労務パートナー事務所便りも引き続きご愛読賜りますようお願い申し上げます。

雇用の明るい動向
◆雇用動向指数の改善
経済動向を判断するときには様々な指数が用いられますが、雇用面では「有効求人倍率」と「完全失業率」がよく取り上げられます。最近の統計データによれば、この二つの指数に改善傾向が見られており、経済の復興が労働面でも示されております。

◆水面上に顔を出した有効求人倍率
 厚労省が昨年12月27日に発表した有効求人倍率は、1.00でした。数値が1台となったのはなんと6年1カ月ぶりとのことです。1台とは簡単に言ってしまえば働き手を求める件数の方が、働き先を求める件数以上に多い、つまり労働力需要が供給より多いことを示しております。有効求人倍率がようやく水面上に顔をだしたと言って良いと思います。

 有効求人倍率とは、有効求人数を有効求職者数で除した率です。
            
有効求人倍率=  有効求人数(事業所側)÷有効求職者数(労働者側)
なお、「有効」の意味は、求人・求職の申し込みは有効期限(通常2カ月)があるのでその効力が存続している期間の数値という意味です。

◆完全失業率は4.0%と前月横ばい
完全失業率は4.0%と前月横ばいでした。完全失業率とは、15歳以上の働く意欲のある人(労働力人口)のうち、職がなく求職活動をしている人(完全失業者)の割合を示します。働きたいと思い求職活動している労働者の100人に4人が失業していることを示します。

過去最悪の完全失業率は2009年8月の5.7%(この時の有効求人倍率も最低の0.42)であり、如何に雇用情勢が厳しいものだったかを示しております。その後政府の緊急雇用対策の効果もあり、昨年9月以降は4.0%と低水準で安定しておりますが、今後企業の投資意欲と人材雇用の拡大で更なる改善を期待したいと思います。

もっとも、世界規模でみれば、2012年データにおける日本の完全失業率は先進国比較で低水準となっております(フランス10.26%、アメリカ8.08%、イギリス8.02%)。また、EU加盟国では、財政破綻でいろいろ取りざたされているスペイン25.00%やギリシャ24.24%の高い完全失業率もあります。特にギリシャの若年層の完全失業率65%は、100人の若者の中で65人が失業状態であり、想像を超える雇用破綻と思われます。

助成金(奨励金)制度と雇用情勢
◆助成金制度は雇用情勢を反映する鏡です
長い間事業主の皆様のため助成金のお手伝いをさせて頂いておりますと、助成金制度は雇用情勢を反映する鏡と実感いたします。

経済不況のため有効求人倍率が低調で、完全失業率が高止まりしている厳しい雇用情勢では、政府(厚労省)は雇用の維持・開発に射程を向けて助成金制度を設計します。
例えば、2008年9月に発生したリーマンショックでは、日本の企業も甚大な影響を被った結果、企業から解雇された労働者が労働マーケットに溢れる状況にありました。厚労省はこの事態に対し「雇用調整助成金」を作り上げました。その助成金の意味は、「会社に仕事がなくとも従業員を解雇しないでほしい、解雇にせず休業扱いにすれば休業手当を助成金で面倒みよう」というものであり、規模の大小を問わず多くの企業がこの助成金のお世話になりました。現在でも内容は一部変更されましたが制度としては残っております。

また、2011年は新規学卒者にとり、これまでにない就職超氷河期でした。学校は卒業したものの就職先が無く、連日就職先を巡り歩く学卒者が報道番組でもクローズアップされておりました。政府(厚労省)は社会問題化する学卒未就職対策として「3年以内既卒者採用奨励金」を作り上げました。この奨励金では、既卒者を直ちに正社員として受け入れれば、6カ月後に100万円を支給するといういわば大判振る舞いのものもありました。当職も何人かのお客様にこの奨励金利用ご案内を行い受給までつなげさせて頂きました。しかしながら、助成金の本来目的に叶っているとはいえ、本当にこの様な金額を頂いてよいのか今でも申し訳ない思いがあります。

◆今後の助成金制度動向
2013年度は「若者チャレンジ奨励金」にスポットライトが当たった年でした。なにしろ4月の奨励金取り扱いスタートから8月で予定予算完了売り止めになった程人気の出た奨励金です。
 「若者チャレンジ奨励金」は、期限の定めのある労働者に対して教育訓練を施し、正社員化することにより奨励金が支給されるものであり、例えば6ヵ月間教育訓練(90万円)を行い、職場定着2年間(100万円)で総額190万円にもなります。
 この他、今年新設のキャリアアップ助成金も期限の定めのある労働者への教育訓練を主眼としており従業員の教育訓練と正社員化に対する助成金が大きな柱となっております。次年度以降も従業員の教育・正社員化が助成金メインテーマとなりそうです。

事務所長からの一言
毎年恒例の箱根駅伝は東洋大学が完全優勝となりました。東洋大学は流石の一言です。
当職としては母校早大に優勝してもらいたい思いがありましたが、箱根駅伝はそのような母校愛を超越して、全てのランナーに祝福を捧げたいという気持ちになれることが素晴らしいところです。

 以前元旦に箱根に一泊し、次の日に箱根5区の山登りの途中で上ってくるランナーを応援したことがありました。母校の選手はまだかと息子に呟いたところ、「どの選手も懸命に走っているのだから、来る選手みんなを応援しようよ」と言われてなるほどその通りと目覚めさせられました。

 実際、箱根の山道を登ってくるランナーを目の前で見ると、どの選手も自分の役割を果たそうとただそれだけで懸命です。分け隔てできません。その姿はとても崇高なものに感じられ、なぜかしら見ていて恥ずかしながら涙さえ湧いてきました。

 箱根駅伝のあの長い中継番組を飽かずに見ることができるのは、母校愛もさりながら、懸命に走っているランナーを通して、自分が本当に目指さなければならない大切なことを教えてくれるからではないでしょうか。成績の善し悪しに拘わらず昨日今日と箱根駅伝を走った全てのランナー、そしてそれを支えた全てのチームメートを称えてあげたいと思います。

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