渡邊人事労務パートナー事務所2月号をお届けします

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫
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今月8日は関東地方で20年ぶりに20センチを超える大雪が観測されました。雪が夜しめやかに降り積もる情景には幽玄の世界を感じますが、一夜あければ雪かきの現実となります。雪国の方のご苦労が僅かながら共感できることとなります。

年金と税金
◆税の申告時期到来
2月になると税の申告時期が到来します。毎年のことながら確定申告で頭を悩まされている方もおられると思います。2月号では多くの事業主の方が受給されている年金と税金の話題を取り上げました。

◆年金で課税されるのは老齢年金だけ
 年金を大きく分けると、「老齢」「障害」「遺族」の各年金に分かれます。この中で課税されるのは「老齢」年金だけです。一般的に経済的に弱い立場である「障害」や「遺族」の年金受給者が課税されないことは当然のことといえます。

◆年金非課税限度額
 年金の非課税限度額(年額)は以下の通りです。

 65歳未満 → 70万円以下
 65歳以上 →120万円以下
 この金額以下であれば受給した年金には課税されません。ただし、注意しなくてはならないのは、国から支給される基礎年金・厚生年金ばかりではなく、退職した会社・共済組合等からの企業年金や退職共済も受給年金額に算入する必要があることです。

(年金の課税対象額事例)
 年金は一定の計算式で課税額が決められます。以下は一つの事例です。

*65歳未満で年金(収入)120万円の時 → 課税対象額(所得)50万円
*65歳以上で年金(収入)240万円の時 → 課税対象額(所得)120万円

◆年金は「雑所得」
  年金所得は「雑所得」となりますので、その他の所得(「事業」・「給与」・「利子」・「配当所得」・「不動産」等)と総合して課税されます。
年金等に係る雑所得金額から所得控除を差し引き残額がある方は、基本的には確定申告税額を精算することとなります。


年金保険料滞納者への対策強化
◆悪質保険料滞納者への強権発動
年金を受給する前に、現役世代期間中は年金保険料を支払う必要があります。
国民年金の2号被保険者(いわゆるサラリーマン)や3号被保険者(サラリーマンの妻)は給与から保険料が天引きされる仕組みですが、1号被保険者(自営業等)では自分が納付するため年金保険料(月額15,040円)の滞納者が多くみられます。

当職が年金事務所で年金相談員のお手伝いをしていた頃、年金事務所の担当者から「今日は一杯お客様が来られますからね」とささやかれました。何のことかといぶかりましたら、悪質と判断された年金保険料滞納者へ督促と最悪差し押さえを行う通知状が届く頃であり 、多くの方が慌てて年金事務所へ駆けつけてまいりました。国民年金保険料滞納に対しいざというときには国は強権発動も可能です。

◆所得400万円以上は資産差し押さえ!
 ことし1月23日厚労省がとりまとめた国民年金保険料滞納者対策として、所得400万円以上で保険料を13カ月以上滞納している人を対象に、資産を差し押さえるなど強制徴収に踏み切る方針となりました。これまでは差し押さえ基準が明確となっておりませんでしたので、この基準明確化により差し押さえ判断が容易になり、差し押さえ件数も増加することが予測されます。国も年金保険料未納対策に最後の切札を多用する模様です。

督促状による保険料納付に応じない滞納者に対し、日本年金機構は銀行口座や有価証券、自動車などの財産を処分できないよう差し押さえることとなります。厚労省は今期通常国会に提出し早期成立を目指す方針です。

◆一番いけないことは督促状の無視
読者の皆様には無関係の話ですが、度重ねての督促状を無視すると、悪質とみなされ財産の差押えを受けることがあります。督促状を無視せず、年金事務所に相談を行い、支払えない状況があるならば説明を行い、あるいは今後の支払い計画を示すことが必要です。

雇用促進税制のお勧め
以前にもご紹介の、皆様にメリットのある雇用促進税制をあらためてご案内いたします。特に個人事業主の場合、申告時期は1月1日から2月末までと締切が迫っております。雇用の増加計画がある会社は節税効果の観点から是非ご活用をお勧めします。

◆税制優遇が受けられる企業
中小企業では雇用保険被保険者数を1年間で10%以上かつ2人以上増やすなどの所定の要件を満たした事業主に対し税制優遇(税額控除)が認められます。

◆優遇される金額
 法人税額(個人事業主の場合は所得税額)から 従業員増加1人当たり40万円(2名で80万円)の税額控除が受けられます。なお、法人税額(所得税額)の20%が上限ですが、例え上限の20%でも税金が軽減されれば大きなメリットになります。

◆申請手続き
   この優遇措置を受けるためには、目標の雇用増加数などを記した「雇用促進計画」を、事業年度開始後2カ月以内に管轄のハローワークに提出することが必要です。「雇用促進計画」が目標に達しない時でもペナルティーはありません。ご要請をうけて当事務所で申請手続きを行いますのでご下命願います。  

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