2017年7月号|新宿区の助成金申請代行・就業規則作成なら、社会保険労務士法人渡邊人事労務パートナーズにお任せください。

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫
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年金受給の資格期間が10年に退縮!
◆天国と地獄の境界線が下がります
今月号では、年金制度改定のビッグニュースを取り上げております。今の年金額では老後の安定した生活は出来ないなどの声もありますがやはり最後の拠り所となるのは国からの年金支給です。これまでは年金を受給できるためには最低25年の保険料納付等の資格期間が必要でした。資格期間が24年と11カ月ではびた一文も年金が支給されませんでした。私に言わせると資格期間25年を境にして天国と地獄が線引きされていたようなものです。この天国地獄の線引きが資格期間10年に下げられ今年の8月1日から適用が開始されることになりました。

具体的な金額でいえば、基礎年金の満額受給者(資格期間40年)が月額64,941円貰えるところ、資格期間10年のためこれまで受給できなかった方が今年の8月から新たに月額16,235円受給できることになりました。また、受給期間に1月足らずのため受給できずにいた資格期間24年11カ月の方は、月額40,452円が受給できることになりました。

今回の改定で受給出来るようになるのは基礎年金ばかりではありません。サラリーマンであれば厚生年金保険に加入しますので基礎年金の上乗せ部分(報酬比例部分といいます)が支給されますが、これまで資格期間が25年未満であれば、基礎年金同様上乗せ部分も支給されませんでした。今回の改定で、上乗せ部分のある方は基礎年金に加えて支給されることになりますので、サラリーマンの時期が長いかたは上乗せ部分が加算される楽しみもございます。

今回の改定で新たに年金が受給出来るようになる対象者の方には、日本年金機構からご案内通知が黄色の封筒で生年月日毎に順次送付されております。この封筒が到着された方は必ず年金事務所でお手続きを行い、年金受給されることをお勧めします。

年金こぼれ話
私は以前暫くの間年金相談員として年金事務所のお手伝いをしておりましたが、年金相談員は社労士としてやり甲斐のあるお仕事でした。それは年金制度がどんなに国民にとり大切なことか教えてくれると同時に年金相談は人生の縮図であると思い知らされたことによります。私が年金相談員として勤める中で、お役に立ち、驚愕し、あるいは胸を打たれたお話を差し障りのない範囲でこぼれ話しとしてご紹介させて頂きます。このこぼれ話を読まれた方が改めて年金記録を確かめられ、年金記録が復活されれば幸です。

◆「私、年金出るのかしら?」
とても上品な70歳前位のご婦人が、ついでに立ち寄ったという感じでご相談に見えられました。お話を伺うとご主人は大学教授で、これまでご本人は加入期間が短いため年金を受給されておられませんでした(おそらく年金の必要性がなかったと思われます)。これまでの経歴を丹念にお聞きすると、結婚前後にある共済に加入していることが分かりました。これまでの記録をつなげてみると、なんと受給資格があることが分かり、早速その共済に年金記録を出してもらうことになりました。遡及計算の結果約300万円が支給されることとなりました。そのご婦人から丁寧な感謝の伝言を頂き当職も喜びを共に致しました。

◆「そんなに出るのですか?」
年金をすでに受給している男性のご相談を受け氏名検索を行ったところ、現在年金記録に結びついていない同姓同名データが出てきました。実はその方のお名前がとても珍しいものであり、宙に浮いている年金記録はすべてご相談者様のものでした。日本全国を転勤で渡り歩いた当職は、その地で電話帳を開くと同姓同名が必ず何人かおりましたが、このような時は珍しいお名前は年金記録の照合に大変便利なことになります。新たに見つけられたそのお客様の年金記録が数多いため、約700万円が遡及して支払われることとなりお客様もそんなに出るのかと驚かれておりました。
この話を先輩社労士の年金相談員に伝えたところ、先輩はさらに上の1000万円レベルの経験をされたとのことですが、ご高齢のお客様の感情が高ぶり心臓麻痺でも起こされると大変なのでその場では金額を伝えなかったとのことでした。そのような配慮も年金相談員には必要なのでしょう。

◆「俺の年金は出るのかい?」
年金事務所は様々なお客様が来られますが、一見してその筋の方ではないかというお客様がご来所されました。私が担当にならなければ良いのだがとの願いに拘わらず、生憎雪駄の音を高らかに私のブースに来られ「俺の年金は出るのかい?」と言われました。相談票を見せて頂くと、なんと年金納付記録がまっ白(全くない)状況でした。貴方には年金は出ませんとお伝えするときに一呼吸おきました。お伝えした後すぐに2,3発相手の手がでることを覚悟しました。この年金事務所では、警察と消防の連絡先がなぜか大書して張り出してありましたが、このような場合を想定していると思い至りました。丁寧に現段階では年金は支給されないことをお伝えすると、「そうか」とだけ言われて直ぐに立ち去りました。こちらは腰が抜ける思いでしたが、よく殴られなくて済んだという強烈な思い出となって残っております。

◆「年金もなく死んでいくのでしょうか・・・」
あるときやつれた感じの年配ご婦人からのご相談では、保険料納付記録がほとんどなく、数ヶ月だけ納付されておりましたのでお伺いのところ、ご主人が退職記念で支払ってくれたとのお話でした。私から、申し訳ありませんが年金は出ませんとお伝えしたところ、自分の母親は年金もなくぼろぼろになるまで働いて死んでいった、自分もそうなるのでしょうかと泣き伏され、こちらまで辛くなってしまいました。僅かな年金記録がご主人の退職記念であることに胸を打たれるとともに、ついついお伺いした母と娘の不遇な生涯を知り何とも言えない思いがありました。年金ブースでこちらがもらい泣きし涙をこぼす訳にはいかず参りました。

事務所より一言
先日愛犬桃太郎の右耳の付け根にできた小梅位のできものを獣医さんに切除して頂きました。会計の時に請求書金額の頭に6の数字が見えましたので6千円と思い込んで1万円札を出してお釣りを頂こうと思いましたところ、なんと6万3千円でした。人間であれば健康保険があり医療費基準もありますが、ペットの医療費はいわば自由診療であり言い値で支払わざるを得ないことが辛いところです。それでも愛犬可愛さに負けて財布をはたいてしまいます。

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