2017年9月号|事業主皆様の駆け込み寺。助成金・就業規則・人事コンサルタント全て得意分野

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫

時給900円? それダメですよ!
◆我が家の近くの求人です
 最近の人手不足でどこでも求人の張り紙が目につきます。川崎市多摩区の我が家の近くでも次の2件の飲食店の求人募集が目に付きました。

1.寿司屋 アルバイト急募時給900円。食事付き。配達担当。未経験可
2.蕎麦屋 アルバイト急募時給910円。食事付き。洗い場担当。未経験可

あれれ?と思う方は正しい最低賃金をご理解されておられる方です。この2店とも神奈川県の現在の最低賃金930円を下回っており法令違反となっております。食事をつけたから大丈夫とはなりません。堂々と法令違反の張り紙を見るとこちらの方がたじろいでしまいます。個人の店舗なので寿司の配達中でケガをしても労災加入しているか心配になります。

◆10月1日から最低賃金がアップします

毎年のことですが、この時期に最低賃金の見直しが行われます。東京と神奈川は次の通り改定(引き上げ)となります。

東京 :958円(+25円)10月1日より適用
神奈川:956円(+25円)10月1日より適用

社労士の仕事柄最低賃金を頭に入れておく必要があり、毎年語呂合わせで覚えております。

今年の東京の最低賃金:「958円は酷すぎる。苦しいよ(9)、ご破算(58)にして欲しい」という事業主の叫び声にしました。神奈川は東京から毎年2円を引くことにしております。

◆最低賃金違反にご注意下さい
最低賃金額に近い額で雇用契約を結んでいる従業員が多い事業場では、引上げ後の最低賃金額を上回る額が支払われているかご確認下さい。

時間給を計算してみると最低賃金額を割り込んでしまっているケースが、アルバイト・パートタイマーはもちろん、正社員の場合であっても散見されます。

時給制の場合にはわかりやすいのですが、月給制や日給制の場合は、賃金額を労働時間数で割り戻して時間給を算出し、最低賃金額と比較してみてください。例えば東京都の月給者(月間労働時間160時間)の場合、改正後の月給が153,280円(958円×160時間)未満であれば最低賃金違反となります。

賃金額が最低賃金額を下回る場合には刑事罰が定められており(最低賃金法40条、50万円以下の罰金)、悪質な場合には書類送検の可能性もあります。「引上げにきちんと対応できていなかった」という“うっかりミス”が多い部分ですので、10月の引上げ前に、再度、最低賃金額関連の管理について見直しすることをお勧めします。

東京都正規雇用化助成金の打ち切り

◆支給を控えている方はお急ぎ下さい。
 東京都が運営している正規雇用化助成金は、厚生労働省のキャリアアップ助成金正社員転換コース(正社員転換では1名60万円)が支給されることを条件に、上乗せで50万円が支給されるとても旨みのある助成金制度です。1名正社員転換で合計110万円が受給できるメリットがありました。

 9月に入ってから東京都正規雇用化助成金の突然の打ち切り広報が東京都のホームページに掲載されました。受理期限は9月29日申請分までとされております。なお、郵送の場合には9月29日の消印有効で翌日以降の消印日付は無効となります。

 昨年7月あるいは8月に有期雇用契約で採用となり、6カ月後に正社員転換した社員がいる事業所ではこの東京都正規雇用化助成金の申請可能があります。折角の助成金ですので貴社の社員状況をご確認の上申請漏れの無いようお急ぎ下さい。

◆来年の復活に期待
 今回の打ち切り理由は、東京都の年間予算を消化する見込みのためということであり、助成金制度ではまま見受けられることです。

 来年度にこの助成金が復活されるかは現段階で未確定とのことですが、労働者の正社員化対策は現在の労働政策の眼目であり、復活に期待したいと思います。

何歳から年金をもらいますか?

◆現在の年金受給開始年齢
年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、現行法では60〜70歳の間で開始年齢について、「繰上げ」もしくは「繰下げ」ができます。
開始年齢を早めれば65歳から受給するのに比べて受給額が最大で30%減り、遅くすれば最大42%増えます。

◆難しい質問「何歳から貰ったら良いですか?」
私が年金事務所のアドバイザーを勤めていた頃の答えに窮する質問が「何歳から貰ったら良いですか?」でした。これはご相談者の寿命が予め分かっていれば答えは直ぐに出ますがそのようなことは分かるはずはありません。このため、「貴方がガンでこの先短いと宣告されたら今すぐに貰いなさい。100歳まで生きられる自信があり当座のお金に困らないなら70歳まで受給を延ばしなさい」と訳の分からないような回答をしたことを思い出します。

◆70歳以降受給の選択肢が今検討中です
内閣府の「高齢社会対策の基本的考え方等に関する検討会」は、公的年金の受給開始年齢を70歳以降まで繰り下げることを可能とする仕組みづくりなどを盛り込んだ報告書の骨子案をまとめました。将来的に75歳受給開始という選択肢もでてくることも予想されます。

事務所より一言

台風18号が日本列島を縦断して大きな被害をもたらしておりますが、この台風の時期になると、人間とは自分勝手なものであることを思い知らされます。台風の進路が自分の住まいの方角に向いていると、できれば進路がそれて欲しいと願いますが、よく考えてみるとそれた方向にも多くの方々が住んでおり台風の被害に遭う訳であり、まさに自己中心的な願いです。そして台風の惨状がマスコミ等で報道されると、悲惨な情景に胸を打たれますが、心のどこかで自分の所でなくて良かったという思いがあります。皆様は如何でしょうか。それだけ、台風の恐ろしさが身に染みているともいえます。

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫

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