渡邊人事労務パートナー事務所便り6月号をお届けします

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫
電話番号
労働保険の年度更新時期となりました
(6月1日〜7月11日)


◆労働保険とは
労働保険とは労働者災害補償保険(一般には「労災保険」と言います)と雇用保険を総称したものであり、保険給付は別個に行われておりますが、保険料の徴収については、「労働保険」として一体のものとして取り扱われ、徴収が同時に行われております。

労働保険=労災保険+雇用保険

◆年度更新とは
 労働保険料は、年度当初に概算で申告・納付し、翌年度当初で確定精算を行うこととなっております。事業主の方はこの前年度の確定保険料と新年度の概算保険料を併せて申告・納付する必要があります。これを「年度更新」と称しております。

年度更新で申告・納付する保険料=
前年度分確定保険料 + 当年度分概算保険料
(平成22年度分)      (平成23年度分)

◆労働保険料の計算式
 労働保険料は、労働者に支払われた賃金総額に保険料率を掛けた金額となっております。

 
労働保険料=賃金総額×保険料率

現在の保険料率(一般業種の場合)
・労災保険:1000分の3
・雇用保険:1000分の15.5
(申告時点満64歳以上の賃金は除外します)
・一般拠出金(アスベスト拠出):1000分の0.05

◆年度更新申告書の申告方法
申告時期になると、役所から年度更新一件書類が郵送されますので、必要事項を記入の上、労基署・労働局・銀行で保険料を添えて提出します。
年度更新一件書類には保険料率は予め印字されておりますので、前年度賃金支払い実績(確定納付分)と当年度賃金支払い見込(概算納付分)の正確なデータが必要です。
申告書の記載方法が分からないとき、顧問社会保険労務士に依頼を行えば作成してもらえますが、各地の労基署窓口でも書き方指導を受けられます。更には、電話で確認したい場合には厚生労働省に年度更新コールセンター(5月17日〜7月15日の期間開設)が開設されておりますのでご利用も可能です。

厚生労働省年度更新コールセンター
0120−995−986
(月曜から金曜の9時〜17時まで)

今年の新入社員は何を重視?
理想の上司像は?


◆「良好な人間関係」を最も重視
株式会社毎日コミュニケーションズから、今年4月入社の新入社員を対象に実施した「2011年マイコミ新入社員意識調査」(984名が回答)の結果が発表されました。
この中で、「社会人として仕事をしていく上で重要だと思うこと」(複数回答)について聞いたところ、回答の上位ベスト3は次の通りでした。
(1)良好な人間関係(69.8%)
(2)挑戦(46.2%)
(3)楽しさ(43.8%)

◆理想の上司は「指示・指導が的確」
上記と同じ意識調査の「理想の上司像」(複数回答)に関する質問では、次の通りの結果となりました。
(1)指示・指導が的確である(67.8%)
(2)よくアドバイスをくれる(47.8%)
(3)相談に乗ってくれる(45.4%)

◆新社会人の多くは「上司に本音を語れない
また、レジェンダ・コーポレーション株式会社では、今年4月に新社会人となった入社1年目と入社2年目の社員を対象に行った意識調査(665名が回答)の結果を発表しました。
その中で、「目上の人に対して仕事上の本音の話ができるか」を尋ねたところ、入社1年目の人のうち63.8%が「本音を語れない」(「ためらう」が57.9%、「できない」が5.9%)と回答しました。これが入社2年目の人になると57.2%に下がります。

◆20代の若者は「伝える力」が低い!?
逆に、先輩社員は20代の後輩社員をどのように見ているのでしょうか。株式会社電通では、首都圏の会社員800名を対象に「伝える力」に関するアンケート調査を行いました。
その結果によれば、30〜50代の会社員のうち、52.5%の人が「新入社員をはじめ20代前半の若者の『伝える力』は低くなっている」(「低くなっていると思う」および「どちらかと言えば低くなっていると思う」の合計)と回答したそうです。


当事務所よりひと言
当事務所では年金相談も行っております。先日年金のご相談でお会いしたのはまだ若い方でした。一般的に年金に関心を持つ年代は、年金受給を目前とした60歳直前の方や、現在年金受給中の60歳台の方が多いので、最初はお尋ねになった理由が良く分かりませんでしたが、お話を聞いて事情が分かりました。

その方がお勤めの会社は、給与の遅配や一部支給が続き、毎月の生活が苦しい状況であること、賃金や残業代の未払いで仲間が労基署に駆け込んだときには事業主から脅迫されて訴えを取り下げさせられた等のお話がありました。それにも拘わらず厚生年金保険料は毎月全額控除されているので、事業主が厚生年金保険料を間違いなく納付しているか確認できないかということでした。

このお問い合わせに対しては、事業主が労働者の標準報酬月額をきちんと申告している限りは、たとえ保険料が未納であろうとも年金が減額されることはないとご説明いたしました。ただし、実際事業主の方が正確に申告しているか、適正に保険料納付をしているかまではこちらでは分かりません。このご相談は根本的には労働問題であり、本来は労基署や県の労働相談センターでお受けするべきこともお伝えはいたしました。

それにしても、ご相談者が切羽詰まったお顔でこのようなお話をされると、お聞きする立場としては聞いて辛い思いがします。ご家族の話が出れば尚更辛くなります。この事務所便り送付先の皆様には全く無縁のことであり、また、このような話はごく一部のこととは思いますが、従業員が明るく働くことは会社経営で何よりも大切なことであり、そのためには労働契約をきちんと守ることが最優先のことではないかと感じさせられました。


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