2022年4月号
育休中の社員がいる会社必見!
就業規則を改定して125万円の奨励金です(東京都内事業所限定)
◆今年も奨励金継続が決定しました
この奨励金は、「働くパパママ育休取得応援奨励金」といい、毎年4月に継続判断を行いますが、今年も4月1日から1年間の受付を行うことが東京都から発表されました。対象事業所は東京都内にある従業員300人以下の会社とされております。
この奨励金について簡単な言いかたをすれば、1年以上の育休(産後休業期間も含む)の後に職場復帰して3か月の女子社員がこの奨励金の対象になります。1名限定ですが奨励金が125万円と大きな金額であり、取組甲斐があります。男性バージョンは最大で300万円ですが、ここでは省略いたします。なお、以前この助成金を利用した会社は今年から対象外になりましたのでご注意下さい。
◆奨励金受給のため就業規則の改定が必要
現在の育児休業法令では、育児を行う親を保護するために、育児休業・育児短時間勤務・子の看護休暇・時間外労働制限等多くの保護規程が用意されております。働くパパママ育休取得応援奨励金ではこれら現行法律を上回る手厚い支援制度を導入することで、その「ご褒美」として奨励金が支給されるものです。
現行育児休業法令を上回る具体事例は次の通りです。アからオとも現行法令を上回る優遇制度となっております。当事務所としては下記「ウ」(看護休暇の取得日数の上乗せ)が簡便でお勧めです。
ア 育児休業期間の延長
(理由を問わない1年を超える育児休業)
イ 育児休業延長期間の延長
(保育園に入れない等理由がある場合の2年を超える延長)
ウ 看護休暇の取得日数の上乗せ
(1人の場合6日以上、かつ2人以上の場合11日以上)
エ 時間単位の看護休暇導入
(中抜けを認めるもの)
オ 育児短時間勤務制度の利用年数延長
(3歳以上の子も対象とする)
◆就業規則の労基署届済が支給条件です
この奨励金では、制度導入前と制度導入後の両方の就業規則が労基署へ提出してあることが支給条件です。新旧就業規則ともに労基署の受理印を得ていることが条件です。なお、制度導入後の新就業規則は労基署届出日が本年4月1日以降のものとされております。
カスハラ?
◆カスハラとは?
カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)のことです。世間のハラスメントには、セクハラ・パワハラ・マタハラ・モラハラ・アカハラ等々多くの種類がありますが、最近深刻な問題化しているのがカスハラです。
カスハラとは、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為を指します。よく引き合いに出されるカスハラが、客から店員に対する「おいお前!バカ!土下座しろ!」です。
◆カスハラに対する対応指針
令和2年1月に厚労省からカスハラ対応指針が出されており、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組みを行うことが望ましいこと、また、カスハラ被害を防止するための取組みを行うことが有効であること等が定められました。今年4月1日に義務化されたパワハラ防止法と同様将来的には企業義務となりそうです。
◆お客様は必ずしも神様ではない
顧客という優越的立場で無理難題や言いがかりをつける者もおります。「これってカスハラ?」と従業員が思ったときに、企業内の考え方、対応方針を統一しておくことが重要です。その際は、@顧客等の要求内容に妥当性はあるか、A要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲か、という観点が有用です。社内研修でしっかりと認識を共有することはカスハラ被害の防止に役立ちます。お客様は必ずしも神様ではありません。
【厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成しました!】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24067.html
70歳までの高年齢者雇用確保
◆70歳までの高年齢者就業確保措置
改正高年齢者雇用安定法(2021年4月施行)により、雇用を70歳に延長するなどの「就業確保措置」が努力義務として定められています。
この70歳雇用努力義務化を推進する雇用継続助成金(定年年齢を70歳へ延長することで助成金120万円)は昨年大反響で、期中販売中止となりました。金額的に圧縮はされていますが、今年度も定年延長に対する助成金制度は継続しています。
◆中小企業でも早めの対策を
我が国の雇用年齢制度の推移では、60歳や65歳までの雇用が最初は努力義務となり、次に法律で義務化される流れとなっております。将来的には70歳雇用が義務化されることになるでしょう。これはある日突然の法律強化ではないので、各企業は今後70歳雇用を見据えた雇用政策をお勧めします。
◆就業規則の定年等規定は重要です
現在65歳までの雇用維持といっても、必ずしも65歳定年ではなく、60歳定年とし65歳まで毎年継続雇用という形も許容されます。この場合、継続雇用しない事由(例えば普通解雇に該当するときには継続雇用しない等)を明示することが重要です。就業規則に明示された正当な理由もなく雇止めを行うことは労使トラブルの可能性もありますのでご留意ください。
事務所から一言
このようなコロナ世情の中で申し上げるのも憚れますが、今年のGWも恒例の四国遍路を巡らせて頂きます。お四国1200キロの道のりを9泊10日かけ車遍路を行います。お大師様と同行二人で諸事厳重に注意しながら参拝いたします。新宿や渋谷の雑踏に出るより山の中のお寺の方が相当リスクは低いでしょう。今回で
11回目の巡拝になります。ご厚誼頂いております皆様のご安寧を祈願してまいります。
この奨励金は、「働くパパママ育休取得応援奨励金」といい、毎年4月に継続判断を行いますが、今年も4月1日から1年間の受付を行うことが東京都から発表されました。対象事業所は東京都内にある従業員300人以下の会社とされております。
この奨励金について簡単な言いかたをすれば、1年以上の育休(産後休業期間も含む)の後に職場復帰して3か月の女子社員がこの奨励金の対象になります。1名限定ですが奨励金が125万円と大きな金額であり、取組甲斐があります。男性バージョンは最大で300万円ですが、ここでは省略いたします。なお、以前この助成金を利用した会社は今年から対象外になりましたのでご注意下さい。
◆奨励金受給のため就業規則の改定が必要
現在の育児休業法令では、育児を行う親を保護するために、育児休業・育児短時間勤務・子の看護休暇・時間外労働制限等多くの保護規程が用意されております。働くパパママ育休取得応援奨励金ではこれら現行法律を上回る手厚い支援制度を導入することで、その「ご褒美」として奨励金が支給されるものです。
現行育児休業法令を上回る具体事例は次の通りです。アからオとも現行法令を上回る優遇制度となっております。当事務所としては下記「ウ」(看護休暇の取得日数の上乗せ)が簡便でお勧めです。
ア 育児休業期間の延長
(理由を問わない1年を超える育児休業)
イ 育児休業延長期間の延長
(保育園に入れない等理由がある場合の2年を超える延長)
ウ 看護休暇の取得日数の上乗せ
(1人の場合6日以上、かつ2人以上の場合11日以上)
エ 時間単位の看護休暇導入
(中抜けを認めるもの)
オ 育児短時間勤務制度の利用年数延長
(3歳以上の子も対象とする)
◆就業規則の労基署届済が支給条件です
この奨励金では、制度導入前と制度導入後の両方の就業規則が労基署へ提出してあることが支給条件です。新旧就業規則ともに労基署の受理印を得ていることが条件です。なお、制度導入後の新就業規則は労基署届出日が本年4月1日以降のものとされております。
カスハラ?
◆カスハラとは?
カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)のことです。世間のハラスメントには、セクハラ・パワハラ・マタハラ・モラハラ・アカハラ等々多くの種類がありますが、最近深刻な問題化しているのがカスハラです。
カスハラとは、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為を指します。よく引き合いに出されるカスハラが、客から店員に対する「おいお前!バカ!土下座しろ!」です。
◆カスハラに対する対応指針
令和2年1月に厚労省からカスハラ対応指針が出されており、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組みを行うことが望ましいこと、また、カスハラ被害を防止するための取組みを行うことが有効であること等が定められました。今年4月1日に義務化されたパワハラ防止法と同様将来的には企業義務となりそうです。
◆お客様は必ずしも神様ではない
顧客という優越的立場で無理難題や言いがかりをつける者もおります。「これってカスハラ?」と従業員が思ったときに、企業内の考え方、対応方針を統一しておくことが重要です。その際は、@顧客等の要求内容に妥当性はあるか、A要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲か、という観点が有用です。社内研修でしっかりと認識を共有することはカスハラ被害の防止に役立ちます。お客様は必ずしも神様ではありません。
【厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成しました!】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24067.html
70歳までの高年齢者雇用確保
◆70歳までの高年齢者就業確保措置
改正高年齢者雇用安定法(2021年4月施行)により、雇用を70歳に延長するなどの「就業確保措置」が努力義務として定められています。
この70歳雇用努力義務化を推進する雇用継続助成金(定年年齢を70歳へ延長することで助成金120万円)は昨年大反響で、期中販売中止となりました。金額的に圧縮はされていますが、今年度も定年延長に対する助成金制度は継続しています。
◆中小企業でも早めの対策を
我が国の雇用年齢制度の推移では、60歳や65歳までの雇用が最初は努力義務となり、次に法律で義務化される流れとなっております。将来的には70歳雇用が義務化されることになるでしょう。これはある日突然の法律強化ではないので、各企業は今後70歳雇用を見据えた雇用政策をお勧めします。
◆就業規則の定年等規定は重要です
現在65歳までの雇用維持といっても、必ずしも65歳定年ではなく、60歳定年とし65歳まで毎年継続雇用という形も許容されます。この場合、継続雇用しない事由(例えば普通解雇に該当するときには継続雇用しない等)を明示することが重要です。就業規則に明示された正当な理由もなく雇止めを行うことは労使トラブルの可能性もありますのでご留意ください。
事務所から一言
このようなコロナ世情の中で申し上げるのも憚れますが、今年のGWも恒例の四国遍路を巡らせて頂きます。お四国1200キロの道のりを9泊10日かけ車遍路を行います。お大師様と同行二人で諸事厳重に注意しながら参拝いたします。新宿や渋谷の雑踏に出るより山の中のお寺の方が相当リスクは低いでしょう。今回で
11回目の巡拝になります。ご厚誼頂いております皆様のご安寧を祈願してまいります。