無利子・無返済・使途自由!!
それって何ですか??
◆それは厚労省助成金です
他人からまとまった資金の提供をうけた時には利子を付けて所定の期間に返済することが世間一般の通例です。また事前に資金使途を限定されることもあります。しかしながら厚労省の助成金は「無利子・無返済・使途自由」という優れものであり、企業にとっては貴重なファンドとなります。今月号では、厚労省助成金について取り上げました。
◆助成金を積極的にご利用ください
当職は厚労省からの委託を受けて助成金広報のため事業主様訪問を行った時期があります。多くの事業主様はやはり助成金のことをご存じなく、もっと早く知っていれば助成金を受けられたのにと残念がる方が多くおられました。その一方で、自分の会社は利益を出しているのに助成金を貰って良いのだろうかと控え目な事業主様もおられました。
実は助成金は所定の条件さえ整っておればどの事業主様でもご利用可能です。そして皆様に支給される助成金は、皆様が拠出されている労働保険料をファンドとしており本来の出所は国ではありません。また、国としても助成金を積極的に利用して下さいというお願いのスタンスです。「無利子・無返済・使途自由」の助成金を使わない手はありません。
◆助成金制度は雇用情勢を反映する鏡です
長い間事業主皆様のため助成金のお手伝いをさせて頂いておりますと、助成金制度は雇用情勢を反映する鏡と実感いたします。
例えば、企業から解雇された労働者が労働マーケットに溢れている状況では、政府(厚労省)は雇用の維持に射程を向けて助成金制度を新設します。
具体的には、2008年9月に発生したリーマンショックでは日本の企業も甚大な影響を被り、この結果被解雇労働者対策が緊急政策課題となりました。政府(厚労省)はこの事態に対し「雇用調整助成金」を作り上げました。この助成金の役割は「会社に仕事がなくとも従業員を解雇しないで下さい、解雇せず休業扱いにすれば休業手当は助成金で面倒みます」というものです。解雇の回避と事業支援という効用があり、多くの企業がこの助成金のお世話になりました。
また、2011年は学卒者にとり、これまでにない就職超氷河期でした。学校は卒業したものの就職先が無く、連日求人先を巡り歩き20連敗、30連敗となる学卒者が報道番組でもクローズアップされておりました。政府(厚労省)は社会問題化する学卒未就職対策として「3年以内既卒者採用奨励金」を作り上げました。この奨励金では、3年以内既卒者を直ちに正社員として受け入れれば、6カ月後に100万円を支給するといういわば大判振る舞い助成金でした。当職も多くのお客様にこの奨励金のご案内を行い喜んでいただきました。実に「美味しい」助成金の一つでしたが、一方、この制度を知らずに受給できなかった事業主様もおられたことと思います。
◆今は人材育成と正社員転換助成金に注目
現在の労働マーケットで政策課題とされておりますのは、有期契約労働者のスキルアップと、非正規労働者の正社員化です。これに対応する政策的助成金が「キャリアアップ助成金」であり、主なものとして(1)人材育成コースと、(2)正社員等転換コースがありますのでご紹介します。
(1)キャリアアップ助成金(人材育成コース)
どの会社でも社員のレベルアップは重要課題です。しかし、研修機関に出向かせれば研修費用がかかり、研修期間中も賃金を支払わなくてはなりません。また正社員なら別ですが、有期契約労働者であれば会社としては教育に躊躇します。これらの悩みを解決する助成金がキャリアアップ助成金(人材育成コース)です。この助成金利用で社員のスキルアップが図れます。
(具体例)
有期労働契約者へOJT(日々の業務時間も含まれます)500時間、OffJT(いわゆる座学研修です)100時間、社外研修費用100時間で20万円の研修を行えば助成金合計は68万円となります(中小企業の場合)。
(2)キャリアアップ助成金(正規雇用等転換コース)
有期契約労働者として雇用した者を、正社員に転換するすると1名50万円(平成28年4月以降は40万円)が支給されるこれも「美味しい」助成金です。社員のモラルアップになり、会社も助成金の恩恵を受けられるというメリットがあります(ただし、転換時期は雇用開始後6か月以上経過しなくてはならないという条件があります)。別な考え方では、最初は正社員として雇用せず、有期雇用期間に適正判断を行い6か月以降に正社員転換を行えば助成金の対象になります。
(具体例)
社員10名(転換上限数)を有期労働契約者から正社員へ転換した場合の助成金:500万円(50万円×10名)
また、都内事業所では来年3月までの転換に対して時限的に同額上乗せの東京都助成金制度があります。このため都内事業所の場合上記10名正社員転換事例では助成金合計で1000万円となります。
◆不滅型助成金もあります
助成金は雇用情勢を反映する鏡と先に申し上げましたが、一方でその存在が不滅と言って良い助成金もあります。それは特定就職困難者雇用開発助成金です。特定就職困難者雇用開発助成金は女性の職場進出、高齢者の労働力化、障害者雇用の増大を図る、いわゆる社会的就職弱者を雇用する場合に支給されるものです
特定就職困難者雇用開発助成金(例)
(1)母子家庭の母の雇用
(2)60歳以上の者の雇用
(3)障害者(身体・知的・精神)の雇用
助成金額は、母子家庭の母と60歳以上の者の雇用に対して1名60万円(中小企業でフルタイム雇用の場合)、障害者雇用では障害等級により最大1名240万円(中小企業でフルタイム雇用の場合)となっております。
◆変わり種助成金もあります
法人税(個人事業主は所得税)を軽減させる変わり種助成金制度もあります。雇用促進税制といわれ、1会計年度中に従業員の10%以上雇用保険被保険者を増加させると、1名増当たり40万円の税額控除が認められます(中小企業では納付法人税の20%を上限とします)。
◆助成金はプロ社労士へお任せ下さい
助成金をご自分でなされた事業主の方から、助成金はとてもではないが一人ではやっていられないというお声を聞きます。確かに一つでも支給要件が欠けたら不支給となる落とし穴だらけ、提出書類は数多い、そして提出締切日を一日でも遅れたらアウトです。また、事前に計画書を出し、就業規則を作成・変更し、求人でハローワークを通すことが求められる場合がある等多くの手続きがあります。
当事務所では、助成金のプロとして受給可能な助成金の種類や受給に至るまでの必要なプロセスを事業主様と綿密にお打ち合わせを行い、事業主様のご負担を最大限圧縮いたします。このご案内で助成金に関心を持たれた事業主の皆様は何なりと当事務所へご相談をお願いいたします。
それって何ですか??
◆それは厚労省助成金です
他人からまとまった資金の提供をうけた時には利子を付けて所定の期間に返済することが世間一般の通例です。また事前に資金使途を限定されることもあります。しかしながら厚労省の助成金は「無利子・無返済・使途自由」という優れものであり、企業にとっては貴重なファンドとなります。今月号では、厚労省助成金について取り上げました。
◆助成金を積極的にご利用ください
当職は厚労省からの委託を受けて助成金広報のため事業主様訪問を行った時期があります。多くの事業主様はやはり助成金のことをご存じなく、もっと早く知っていれば助成金を受けられたのにと残念がる方が多くおられました。その一方で、自分の会社は利益を出しているのに助成金を貰って良いのだろうかと控え目な事業主様もおられました。
実は助成金は所定の条件さえ整っておればどの事業主様でもご利用可能です。そして皆様に支給される助成金は、皆様が拠出されている労働保険料をファンドとしており本来の出所は国ではありません。また、国としても助成金を積極的に利用して下さいというお願いのスタンスです。「無利子・無返済・使途自由」の助成金を使わない手はありません。
◆助成金制度は雇用情勢を反映する鏡です
長い間事業主皆様のため助成金のお手伝いをさせて頂いておりますと、助成金制度は雇用情勢を反映する鏡と実感いたします。
例えば、企業から解雇された労働者が労働マーケットに溢れている状況では、政府(厚労省)は雇用の維持に射程を向けて助成金制度を新設します。
具体的には、2008年9月に発生したリーマンショックでは日本の企業も甚大な影響を被り、この結果被解雇労働者対策が緊急政策課題となりました。政府(厚労省)はこの事態に対し「雇用調整助成金」を作り上げました。この助成金の役割は「会社に仕事がなくとも従業員を解雇しないで下さい、解雇せず休業扱いにすれば休業手当は助成金で面倒みます」というものです。解雇の回避と事業支援という効用があり、多くの企業がこの助成金のお世話になりました。
また、2011年は学卒者にとり、これまでにない就職超氷河期でした。学校は卒業したものの就職先が無く、連日求人先を巡り歩き20連敗、30連敗となる学卒者が報道番組でもクローズアップされておりました。政府(厚労省)は社会問題化する学卒未就職対策として「3年以内既卒者採用奨励金」を作り上げました。この奨励金では、3年以内既卒者を直ちに正社員として受け入れれば、6カ月後に100万円を支給するといういわば大判振る舞い助成金でした。当職も多くのお客様にこの奨励金のご案内を行い喜んでいただきました。実に「美味しい」助成金の一つでしたが、一方、この制度を知らずに受給できなかった事業主様もおられたことと思います。
◆今は人材育成と正社員転換助成金に注目
現在の労働マーケットで政策課題とされておりますのは、有期契約労働者のスキルアップと、非正規労働者の正社員化です。これに対応する政策的助成金が「キャリアアップ助成金」であり、主なものとして(1)人材育成コースと、(2)正社員等転換コースがありますのでご紹介します。
(1)キャリアアップ助成金(人材育成コース)
どの会社でも社員のレベルアップは重要課題です。しかし、研修機関に出向かせれば研修費用がかかり、研修期間中も賃金を支払わなくてはなりません。また正社員なら別ですが、有期契約労働者であれば会社としては教育に躊躇します。これらの悩みを解決する助成金がキャリアアップ助成金(人材育成コース)です。この助成金利用で社員のスキルアップが図れます。
(具体例)
有期労働契約者へOJT(日々の業務時間も含まれます)500時間、OffJT(いわゆる座学研修です)100時間、社外研修費用100時間で20万円の研修を行えば助成金合計は68万円となります(中小企業の場合)。
(2)キャリアアップ助成金(正規雇用等転換コース)
有期契約労働者として雇用した者を、正社員に転換するすると1名50万円(平成28年4月以降は40万円)が支給されるこれも「美味しい」助成金です。社員のモラルアップになり、会社も助成金の恩恵を受けられるというメリットがあります(ただし、転換時期は雇用開始後6か月以上経過しなくてはならないという条件があります)。別な考え方では、最初は正社員として雇用せず、有期雇用期間に適正判断を行い6か月以降に正社員転換を行えば助成金の対象になります。
(具体例)
社員10名(転換上限数)を有期労働契約者から正社員へ転換した場合の助成金:500万円(50万円×10名)
また、都内事業所では来年3月までの転換に対して時限的に同額上乗せの東京都助成金制度があります。このため都内事業所の場合上記10名正社員転換事例では助成金合計で1000万円となります。
◆不滅型助成金もあります
助成金は雇用情勢を反映する鏡と先に申し上げましたが、一方でその存在が不滅と言って良い助成金もあります。それは特定就職困難者雇用開発助成金です。特定就職困難者雇用開発助成金は女性の職場進出、高齢者の労働力化、障害者雇用の増大を図る、いわゆる社会的就職弱者を雇用する場合に支給されるものです
特定就職困難者雇用開発助成金(例)
(1)母子家庭の母の雇用
(2)60歳以上の者の雇用
(3)障害者(身体・知的・精神)の雇用
助成金額は、母子家庭の母と60歳以上の者の雇用に対して1名60万円(中小企業でフルタイム雇用の場合)、障害者雇用では障害等級により最大1名240万円(中小企業でフルタイム雇用の場合)となっております。
◆変わり種助成金もあります
法人税(個人事業主は所得税)を軽減させる変わり種助成金制度もあります。雇用促進税制といわれ、1会計年度中に従業員の10%以上雇用保険被保険者を増加させると、1名増当たり40万円の税額控除が認められます(中小企業では納付法人税の20%を上限とします)。
◆助成金はプロ社労士へお任せ下さい
助成金をご自分でなされた事業主の方から、助成金はとてもではないが一人ではやっていられないというお声を聞きます。確かに一つでも支給要件が欠けたら不支給となる落とし穴だらけ、提出書類は数多い、そして提出締切日を一日でも遅れたらアウトです。また、事前に計画書を出し、就業規則を作成・変更し、求人でハローワークを通すことが求められる場合がある等多くの手続きがあります。
当事務所では、助成金のプロとして受給可能な助成金の種類や受給に至るまでの必要なプロセスを事業主様と綿密にお打ち合わせを行い、事業主様のご負担を最大限圧縮いたします。このご案内で助成金に関心を持たれた事業主の皆様は何なりと当事務所へご相談をお願いいたします。