2016年3月号|新宿区の助成金申請代行・就業規則作成なら、社会保険労務士法人渡邊人事労務パートナーズにお任せください。

社会保険労務士法人 渡邊人事労務パートナーズ 代表社会保険労務士 渡邊武夫
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民間版の労災保険「使用者賠償責任保険」について
◆契約件数が伸びている!
「使用者賠償責任保険」の契約件数が伸びているそうです。
うつ病などによる労災認定件数の増加や賠償額の高額化を背景に、大手損害保険3グループの2015年度の契約件数は前年度比約1.5倍となっています。
この伸び傾向は今後も続くものと予想されています。

◆「使用者賠償責任保険」とは?
「使用者賠償責任保険」は、労災認定された事案について、企業の安全配慮義務違反などを問われ法律上の損害賠償責任を負った場合に備えるものです。
企業が損害賠償責任を負った場合、労災保険金を上回る補償の提供や和解金の支払いのために保険金が支払われます。
近時は損害賠償額が高騰傾向にあり、1億円を超える賠償が求められるケースも少なくありません。中小企業の場合、これだけの金額を支払えば経営の危機に至ることも想定されます。
こうしたリスクへの備えとしてニーズが高まっているのです。

◆リスクを勘案した検討を
労働災害が発生する危険性は全企業にありますので、すべての企業において使用者賠償責任保険への加入を一度検討する必要があると言えるでしょう。
保険料と自社の業種や規模、これまでの労働災害の発生状況等から考えられるリスクを勘案して加入を検討してみることが、今後のリスク回避のための一助となるかもしれません。


厚労省が発表! 非正規労働者の「正社員転換・待遇改善プラン」
◆「やむなく非正規」の割合を5年間で約半分に
厚生労働省は1月28日、派遣や契約社員など非正規労働者の「正社員転換・待遇改善プラン」を発表しました。
企業への助成金の拡充・新設や職業訓練、学校や地方自治体との連携などを通じて、正社員の仕事がない等でやむなく非正規で働く人の割合を2016年度以降の5年間で大幅に減らしていくことを目指しています。

◆若年者・女性に多い「やむなく非正規」
厚生労働省によると、非正規全体のうち、やむなく非正規で働く人(不本意非正規雇用労働者)の割合は2014年で18.1%。その内訳を分析すると、若年層や派遣社員・契約社員の比率が比較的高く、また、男性に比べ女性のほうが雇用者に占める非正規雇用の割合が高いことが、女性が貧困に陥りやすい背景のひとつとされています。
これを踏まえ、同省では、不本意非正規雇用労働者の割合を2020年度までに非正規雇用全体の10%以下、若年層(25〜34歳)については2014年の28.4%から半減させるとしています。

◆ハローワークの支援強化、助成金の拡充、業界団体への要請などが柱
具体的には、「ハローワークにおける正社員求人の確保や正社員就職に向けた担当者制による支援等」、「キャリアアップ助成金の活用促進」、「業界団体への要請」、「公的職業訓練や成長分野での人材育成の推進」、「改正労働者派遣法の円滑な施行」、「助成金を活用した有期契約労働者の無期転換の促進」などの対策を掲げています。

◆正規と非正規の賃金格差縮小も目標に
このほか、いわゆる「多様な正社員」の推進や、正社員と非正規雇用労働者の賃金格差の縮小も目標として掲げています。
2014年の調査では、正社員の月額は31万7,000円ですが、非正規は20万円。非正規の場合は定期昇給などもなく、50代でみると約2倍の差になります。
具体的な数値目標までは掲げませんでしたが、安倍政権が掲げる「同一労働同一賃金」を進めるためのチームを省内につくるなどして、非正規の待遇改善を目指します。

◆2016年度以降、順次対策を強化
国が非正規の正社員化や待遇改善を目指す包括的な計画を出すのは初めてで、政府は既存の制度も含め、2016年度以降に順次対策を強化していく方針です。

厚労省が「厚生年金加入状況」について緊急調査を実施へ
◆発端は「平成26 年国民年金被保険者実態調査結果」
厚生労働省が昨年12月25日に公表した国民年金被保険者実態調査の「参考:厚生年金保険の適用にかかる粗い推計」にて、国民年金第1号被保険者の就業状況を基に、厚生年金の適用の可能性がある者が、法人で約180万人、個人経営の事業所で約20万人、合計約200万人程度いることが、初めて具体的に示されました。
20〜30代の若年層の割合が高かったことから、将来、低年金・無年金に陥る可能性があるとして問題視されることとなりました。

◆厚生年金加入指導はより厳しく?
現在、加入指導は、国土交通省と厚生労働省が取り組む建設業の社会保険加入促進や算定基礎届の提出時期に行われる年金事務所の定時決定時調査、国税庁から提供を受けたデータに基づくものなどにより行われています。
指導により適用事業所となった事業所数も、平成24年度約8,000件、25年度1万9,099件、26年度3万9,704件と増加しています。27年も4月から11月末までの間に6万3,000事業所が加入指導、適用を受けています。
今後は、3月頃に国税庁から法人番号を添えた法人情報の提供を受け、約79万事業所に調査票を送付し、従業員数や労働時間等を確認して実態把握に当たるとしています(2月5日衆議院予算委員会塩崎厚生労働大臣答弁)。

◆パートの適用漏れは特に注意
各種報道に限らず、未加入事業所に厳しい姿勢で臨むべきとの声があります。
今年1月26日の安倍首相の国会答弁では「厚生年金等に加入していないことをもって事業所名を公表する考えはない」としていますが、今年10月からの一部のパート労働者等への社会保険適用拡大もあり、適正に加入させているかがより厳密に調査される可能性があります。
年金事務所の定時決定時調査では、適用要件を満たすパート等の加入漏れが多く指摘されていることから、自社の加入状況を確認し、不安があれば社会保険労務士に相談することをお勧めします。

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