ジョブリターン奨励金20万円!

◆ハードルの低い助成金(ただし都内事業所限定です)
 東京都では、結婚・妊娠・出産・育児等で一度退職した社員が元の会社に戻って働ける環境整備を行った中小企業に20万円を支給する「育児・介護からのジョブリターン奨励金」制度をスタートさせました。

 この助成金では、ジョブリターンした社員が実際会社にいなくとも、就業規則に制度を追加するだけで20万円となるハードルの低い言わばおいしい助成金です。

◆申込には事前エントリーが必要です
 助成金や奨励金はハードルが低いと人気が出て応募者が膨らみます。ジョブリターン奨励金申込では事前エントリーが必要ですが、エントリーしても必ず当選するとはならないようです。

ジョブリターン奨励金と同じつくりのおいしいボランティア休暇助成金(就業規則にボランティア休暇制度を新設することで20万円)が昨年東京都で募集された時にも人気が出て事前エントリーしても落選される方もおられました。私の顧問先では3回連続で90社の枠から外れて、最終回50社の枠で当選して20万円をゲットされた事例もございます。抽選を楽しまれながらエントリーされると福がくるかもしれません。

◆今後のエントリースケジュール
 今後のエントリースケジュールは次の通りです。東京都の事業所様ではあと3回のチャンスがありますのでチャレンジされることをお勧めします。なお、雇用保険に加入している社員が2名以上いることが条件となっておりますのでご注意ください。

エントリー日と対象会社数
1.8月20日(火)  70社
2.9月20日(金)  70社
3.10月18日(金) 20社

特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)のご紹介

◆新たなバージョンの助成金です
 特定求職者雇用開発助成金の代表的なものといえば、@シングルマザー採用、A高齢者(60歳以上)採用、B障害者の方の採用の三本柱であり、助成金額も60万円以上とまとまった金額のことから、これらの方々の労働力掘り起しに貢献している助成金です。今回新たに特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)が新設されましたのでご紹介します。

 この助成金の対象となる労働者とは、いわゆる就職氷河期に正規雇用の機会を逃したこと等により、充分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な方をハローワークの紹介により正規雇用労働者として雇入れる事業主に助成金されます。
 
◆助成金が支給される場合とは

次の条件を満たす対象労働者を正社員として雇用することで助成金が支給されます。
1.雇入れ日時点の満年齢が35歳以上60歳未満の方
2.正規雇用労働者として雇用された期間を通算した期間が1年以下であり、雇入れ日の前日起算で過去1年間に正規雇用労働者として雇用されたことが無い方
3.本人が正規労働者として雇用されることを希望していること

簡単な言いかたをしてしまえば、これまでの職歴がアルバイトや非正規労働者のみであり、正社員として働きたいと願っている満35歳以上60歳未満の方を正規雇用してあげることで助成金が支給されます。

 上記条件に該当する方の採用では、特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)のご利用をお勧めします。

◆助成金額(中小企業)  1年間で60万円(半年30万円×2期)


大企業の働き方改革の影響による中小企業への「しわ寄せ」対策

◆働き方改革と「しわ寄せ」
6月26日、厚生労働省は、中小企業庁・公正取引委員会とともに『大企業・親事業者の働き方改革に伴う下請等中小事業者への「しわ寄せ」防止のための総合対策』(以下「しわ寄せ対策」といいます)を策定したと公表しました。

働き方改革関連法が今年4月に施行され、大企業における働き方改革(時間外労働の上限規制等)は一定の成果を上げています。その一方で懸念されているのが、“大企業の働き方改革に伴う下請等中小事業者へのコスト負担を伴わない短納期発注等の下請法等違反”(以下「しわ寄せ」といいます)です。

◆「しわ寄せ」具体例
「しわ寄せ」の具体例として、厚労省資料では下記のような事例を挙げています。
・買いたたき(例:短納期発注により、休日対応を余儀なくされ、人件コストが増大したにもかかわらず、通常の単価とされた)
・受領拒否(例:受注後、一方的に納期を短く変更されたため、やむを得ず長時間勤務により対応したものの納期に間に合わず、納入遅れを理由に受領を拒否された)
・不当な経済上の利益要請(例:商品発注に関するデータのシステム入力という発注者側の業務を、無償で代行するよう強いられた)

◆「しわ寄せ対策」の4本柱
 下記@〜Cを柱に、中小企業に時間外労働の上限規制が適用される令和2年4月までに具体的な取組みをするとされています。
@ 関係法令等の周知広報(労働局・労基署がリーフレット等を活用して周知、ほか)
A 労働局・労基署等の窓口等における「しわ寄せ」情報の提供(寄せられた「しわ寄せ」の相談情報を地方経産局に提供)
B 労働局・労基署による「しわ寄せ」防止に向けた要請等・通報(下請事業者に対する監督指導において、労働基準関係法令違反が認められ、その背景に「しわ寄せ」が疑われる場合、公取委・中企庁に通報、ほか)
C 公取委・中企庁による指導及び不当な行為事例の周知・広報(「しわ寄せ」について、公取委・中企庁が、下請法等に基づき厳正対応、ほか)

 そもそも「しわ寄せ」は下請法や独占禁止法等に違反する行為ですが、今後はより厳しい目で見られます。自社が「しわ寄せ」を強いていないか、また、他社から強いられてはいないか感度を高める必要があります。

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