年末調整の時期となりました
◆準備はお済みですか?
月日の経つのは早いもので、はや12月を迎えます。12月と言えば年末調整の時期です。年末調整業務に臨んで歳末を実感される貴社会計ご担当者の方もいらっしゃると思います。言うまでもなく、年末調整は1年間の給与総額が確定する年末にその年に納めるべき税金を正しく計算することであり、給与所得者には大変重要なことであり、また、会計ご担当者にも気の張るお仕事となります。
◆早めの書類手配が必要です
年末調整は従業員の申告を基礎として計算しますので、時間的に余裕のある書類取り付けが必要です。下記書類を早めに従業員から回収し年末調整に間に合う段取りを組みます。
〇平成26年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書・・・異動の都度提出が基本ですが、多くの企業では年末に一斉徴収しております。
〇平成26年分 給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書
〇平成26年分 住宅借入金等特別控除申告書・・住宅ローンで控除対象となる方の分です。
〇期中入社者は前職場の源泉徴収票
◆控除申告を漏らすと所得税が高くなります
会社からは同じ賃金が支給されていても、単身者であったり、扶養家族を抱えていたりと、個人毎に事情は様々です。更には、老人(老親等親族)を扶養する方もいれば、ご自身やご家族が障がい者の場合もあります。所得税法ではこれらの諸事情に対して、所得控除ができることになっておりますので、正しい控除申告を漏らすと所得税が高く計算されることがあります。従業員の方には正しい申告を促すことが必要です。所得控除額の一部を例示いたします。
〇配偶者控除(70歳未満):38万円
同 (70歳以上):48万円
〇特定扶養親族:63万円
(19歳以上23歳未満扶養親族)
〇老人(70歳以上)扶養親族
同居老親 :58万円
同居老親以外:48万円
これまで扶養親族のイメージが定着していた幼児や小中学生は児童手当の支給が行われる代わりに扶養親族から除外となっておりますので注意が必要です。
◆今年の年末調整変更点
今年の年末調整では、申請様式や税法そのものの大きな改正はありませんが、次の2項目はチェックが必要です。
〇国民年金法の改正により、4月1日から保険料2年分35万5,280円を前納できるようになりました。この場合の社会保険料控除は選択申告(@全額当年控除申告、A対応年に配分し、翌年分は翌年申告のいずれか)となります。
〇自転車やマイカー通勤手当の非課税限度額が4月1日支給分から引き上げられ、対象者は年末調整で精算が必要となります。
飲酒運転禁止のだめ押し時期です
◆忘年会・新年会の時期になりました
年末年始になると、貴社従業員の方もこれから忘年会・新年会にお出かけになることが多いと思います。宴席には見るからに美味しそうな生きの良い刺身、だし汁が香る熱々のお鍋、程良くカラッと揚げられた唐揚げ等々、これをビールや熱燗(好みによってはワインとか焼酎もあるでしょう)なしで食することが出来ましょうか。
一同親交が進みおなかが満腹になり、さてお開きとなった後で、車のキーをもったら、その方の身の破滅となります。飲酒運転はダメであることは言うまでも無く、誰もが百万遍も聞かされていても、人間は弱いものであり、見つからなければ上手くやったとなってしまいます。飲酒運転は絶対あり得ないという会社は別として、宴席が多くなる年末年始は、飲酒運転は絶対ダメであることの再徹底を行う時期と思われます。
京都の中学校の元教頭(当時52歳)が飲酒運転の揚げ句追突事故を起こし、懲戒免職と退職金不支給の制裁を受けましたが、この元教頭はせめて退職金だけは支給して欲しいと裁判で訴えましたが認められませんでした(平成24年8月大阪高裁判決)。元教頭は勤め先を失い、老後の糧となるはずであった退職金を失い、そして教職者としての名誉も失いました。飲酒運転では良いことは何もないことを肝に銘じる事件と言って良いと思います。
更には、事故を起こした相手への損害賠償義務も生じます。人身事故であれば、その賠償金額は膨大なものとなります。一回の飲酒運転の過ちが人生を破滅させることを会社全体に周知徹底させる良い機会と思います(ただし、幸か不幸か、自動車保険に加入しておれば、飲酒運転でも、他の免責事項に該当しなければ被害者保護の観点から保険金は支払われます)。
◆飲酒運転に対する懲戒処分の周知
飲酒運転はダメと言っても、従業員からは当たり前の事と聞き逃されてしまうこともありますので、飲酒運転には懲戒処分があることを周知させることも重要です。
私行上の行動は本来会社制約から自由となりますが、飲酒運転や犯罪行為等社会秩序を乱す行為を従業員が行った場合には、たとえ私行上とはいえ会社は従業員に対し懲戒を行うことが出来るとされております。まして、事故の内容や企業知名度によっては会社名まで報道され、飲酒運転を行った本人だけでなく、会社も社会的名誉が失墜することがあり懲戒処分は必要となります。ただし、飲酒運転に対する具体的な懲戒規程が就業規則になければ懲戒処分ができませんので、この際に就業規則を点検されることをお勧めします。
◆マイカー通勤には自動車保険チェックが必要
会社によっては従業員にマイカー通勤を認めているところもあると思います。マイカーを利用した出退勤や会社業務にマイカーを使用している場合には使用者責任(民法715条)が追求されることがあります。出退勤途上で従業員が飲酒運転を行ったときに従業員に損害賠償資力がなければ矛先は会社に向けられることとなります。特に人身事故の場合は多額な損害賠償金となる可能性があり、会社にとっては経営を揺るがせかねない事態となります。
マイカー通勤を認めている会社では、自動車保険加入(特に対人無制限)と、自動車保険証の提示を就業規則に設けることで、不測の賠償責任から免れることとなります。また、前記の通り、仮に飲酒運転の場合でも他の免責事項に該当しなければ被害者保護のため対人・対物の保険金を受けることは可能であり飲酒運転にかかる企業リスクを回避できます。この点に関しても貴社の就業規則のご点検をお勧めします。
◆準備はお済みですか?
月日の経つのは早いもので、はや12月を迎えます。12月と言えば年末調整の時期です。年末調整業務に臨んで歳末を実感される貴社会計ご担当者の方もいらっしゃると思います。言うまでもなく、年末調整は1年間の給与総額が確定する年末にその年に納めるべき税金を正しく計算することであり、給与所得者には大変重要なことであり、また、会計ご担当者にも気の張るお仕事となります。
◆早めの書類手配が必要です
年末調整は従業員の申告を基礎として計算しますので、時間的に余裕のある書類取り付けが必要です。下記書類を早めに従業員から回収し年末調整に間に合う段取りを組みます。
〇平成26年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書・・・異動の都度提出が基本ですが、多くの企業では年末に一斉徴収しております。
〇平成26年分 給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書
〇平成26年分 住宅借入金等特別控除申告書・・住宅ローンで控除対象となる方の分です。
〇期中入社者は前職場の源泉徴収票
◆控除申告を漏らすと所得税が高くなります
会社からは同じ賃金が支給されていても、単身者であったり、扶養家族を抱えていたりと、個人毎に事情は様々です。更には、老人(老親等親族)を扶養する方もいれば、ご自身やご家族が障がい者の場合もあります。所得税法ではこれらの諸事情に対して、所得控除ができることになっておりますので、正しい控除申告を漏らすと所得税が高く計算されることがあります。従業員の方には正しい申告を促すことが必要です。所得控除額の一部を例示いたします。
〇配偶者控除(70歳未満):38万円
同 (70歳以上):48万円
〇特定扶養親族:63万円
(19歳以上23歳未満扶養親族)
〇老人(70歳以上)扶養親族
同居老親 :58万円
同居老親以外:48万円
これまで扶養親族のイメージが定着していた幼児や小中学生は児童手当の支給が行われる代わりに扶養親族から除外となっておりますので注意が必要です。
◆今年の年末調整変更点
今年の年末調整では、申請様式や税法そのものの大きな改正はありませんが、次の2項目はチェックが必要です。
〇国民年金法の改正により、4月1日から保険料2年分35万5,280円を前納できるようになりました。この場合の社会保険料控除は選択申告(@全額当年控除申告、A対応年に配分し、翌年分は翌年申告のいずれか)となります。
〇自転車やマイカー通勤手当の非課税限度額が4月1日支給分から引き上げられ、対象者は年末調整で精算が必要となります。
飲酒運転禁止のだめ押し時期です
◆忘年会・新年会の時期になりました
年末年始になると、貴社従業員の方もこれから忘年会・新年会にお出かけになることが多いと思います。宴席には見るからに美味しそうな生きの良い刺身、だし汁が香る熱々のお鍋、程良くカラッと揚げられた唐揚げ等々、これをビールや熱燗(好みによってはワインとか焼酎もあるでしょう)なしで食することが出来ましょうか。
一同親交が進みおなかが満腹になり、さてお開きとなった後で、車のキーをもったら、その方の身の破滅となります。飲酒運転はダメであることは言うまでも無く、誰もが百万遍も聞かされていても、人間は弱いものであり、見つからなければ上手くやったとなってしまいます。飲酒運転は絶対あり得ないという会社は別として、宴席が多くなる年末年始は、飲酒運転は絶対ダメであることの再徹底を行う時期と思われます。
京都の中学校の元教頭(当時52歳)が飲酒運転の揚げ句追突事故を起こし、懲戒免職と退職金不支給の制裁を受けましたが、この元教頭はせめて退職金だけは支給して欲しいと裁判で訴えましたが認められませんでした(平成24年8月大阪高裁判決)。元教頭は勤め先を失い、老後の糧となるはずであった退職金を失い、そして教職者としての名誉も失いました。飲酒運転では良いことは何もないことを肝に銘じる事件と言って良いと思います。
更には、事故を起こした相手への損害賠償義務も生じます。人身事故であれば、その賠償金額は膨大なものとなります。一回の飲酒運転の過ちが人生を破滅させることを会社全体に周知徹底させる良い機会と思います(ただし、幸か不幸か、自動車保険に加入しておれば、飲酒運転でも、他の免責事項に該当しなければ被害者保護の観点から保険金は支払われます)。
◆飲酒運転に対する懲戒処分の周知
飲酒運転はダメと言っても、従業員からは当たり前の事と聞き逃されてしまうこともありますので、飲酒運転には懲戒処分があることを周知させることも重要です。
私行上の行動は本来会社制約から自由となりますが、飲酒運転や犯罪行為等社会秩序を乱す行為を従業員が行った場合には、たとえ私行上とはいえ会社は従業員に対し懲戒を行うことが出来るとされております。まして、事故の内容や企業知名度によっては会社名まで報道され、飲酒運転を行った本人だけでなく、会社も社会的名誉が失墜することがあり懲戒処分は必要となります。ただし、飲酒運転に対する具体的な懲戒規程が就業規則になければ懲戒処分ができませんので、この際に就業規則を点検されることをお勧めします。
◆マイカー通勤には自動車保険チェックが必要
会社によっては従業員にマイカー通勤を認めているところもあると思います。マイカーを利用した出退勤や会社業務にマイカーを使用している場合には使用者責任(民法715条)が追求されることがあります。出退勤途上で従業員が飲酒運転を行ったときに従業員に損害賠償資力がなければ矛先は会社に向けられることとなります。特に人身事故の場合は多額な損害賠償金となる可能性があり、会社にとっては経営を揺るがせかねない事態となります。
マイカー通勤を認めている会社では、自動車保険加入(特に対人無制限)と、自動車保険証の提示を就業規則に設けることで、不測の賠償責任から免れることとなります。また、前記の通り、仮に飲酒運転の場合でも他の免責事項に該当しなければ被害者保護のため対人・対物の保険金を受けることは可能であり飲酒運転にかかる企業リスクを回避できます。この点に関しても貴社の就業規則のご点検をお勧めします。