労働保険の年度更新の時期がきました

◆そもそも労働保険とは
労働保険とは労災保険と雇用保険を総称したものであり、保険料は1年に1回、この時期に申告納付(年度更新)することになっております。申告時期は6月1日から7月10となっております。会社にとり相応の保険料費用がかかるため、経営上間違いなく行う必要のある手続きとなります。

労働保険=  労災保険+ 雇用保険

◆年度更新とは
 労働保険料の納付システムでは、当年度に賃金額を概算申告・納付し、賃金額の確定した翌年度に確定精算を行うことになります。
例えば、当年度の保険料を150万円で概算納付した場合で、翌年度実際に計算したところ確定額が200万円だったとすれば、差額50万円分の保険料を翌年度に確定精算(追納)します。一方実際には100万円であった時には、差額50万円分の保険料が翌年度に確定精算(還付)されます。この申告を「年度更新」と称しております。

年度更新で申告・納付する保険料=前年度確定保険料(追徴又は還付精算)+当年度概算保険料



◆労働保険料は年間賃金総額で決定されます
 労働保険料は、労働者に支払われた年間賃金総額に保険料率(労災保険料率および雇用保険料率)を掛けた金額となっております。例えば、建設や農林を除く一般の事業で年間支払い賃金が1千万円であれば、労働保険料は約12万円、2千万円であれば約24万円、3千万円であれば約36万円のように比例計算となります。そして、この金額に前年度の過不足金額を計算したものが当年度の年度更新保険料となります。

◆年度更新申告書の計算方法
年度更新の申告書類はなかなか複雑であり慣れていない事業主様は困惑されるのではないかと思われます。提携社労士がいれば良いのですが、そうでないときには各地の労基署窓口で書き方指導を受けられますし説明会も開催されております。更には、電話で照会したいときには、厚生労働省が委託した外部業者に年度更新コールセンターが開設されており、親切な対応を行ってくれますのでご利用されることをお勧めします。

厚生労働省年度更新コールセンター
0120−335-546
(5月31日から7月12日の月曜から金曜の9時〜17時まで)

社会保険の算定基礎届も同時の時期です

◆そもそも社会保険とは
 社会保険とは健康保険と厚生年金保険を総称したものであり、保険料算定の基礎となる標準報酬は1年に1回この時期に見直しを行います(定時決定と称します)。

社会保険=健康保険+厚生年金保険

1年に1回この見直しを行うための基礎資料を、会社が年金事務所や健保組合に届出することを算定基礎届と言います。
 
◆標準報酬月額の改定方法(定時決定)
 7月1日に会社に在籍している社員の4月・5月・6月の報酬月額の平均をとり標準報酬月額を決定します(例外規定もありますが省略します)。

 定時決定された標準報酬月額は、原則その年の9月から翌年8月までの標準報酬月額として保険料算出基礎となります。つまり、社会保険料は毎年9月分(10月納付分)より変動となります。

◆昇給の時は社会保険料負担への配慮も必要
 一生懸命働いてくれる従業員に対しては何とか昇給してあげたいというのは経営者のいつも変わらぬ思いですが、従業員の昇給は社会保険料の増加にもなります。昇給をご検討の時には社会保険料負担増を加味する必要もあります。例えば東京都で40歳未満の方の賃金を26万円から28万円に引き上げた場合、実際の会社コストは賃金増2万円の他に社会保険料が2,809円増加することも勘案する必要があります。

事務所より一言

先日のゴールデンウィークを利用して、四国八十八カ所を参拝してまいりました。車で8泊9日、1400キロの行程でした。中2日間事務所を空けて大変ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。

思い返せば今回でお四国参りも8回目となります。お四国参りの魅力は「観光・健康・信仰」と言われます。まず「観光」では、四国の行く先々が観光スポットです。例えば38番札所金剛福寺から歩いて5分で足摺岬に出ます。断崖絶壁の上に立つ足摺灯台は必見の価値があります。また、84番札所屋島寺に行く有料道路高台から見下ろすと、源平合戦の舞台となった壇ノ浦古戦場が一望できます。眼下の入江で源義経が戦い、那須与一が平家の小舟に掲げられた扇を射落とした、まさにその場所がパノラマビューで見ることができます。

もう一つの「健康」ですが、お寺参りの朝は早く、午前7時から納経帳受付が開始となり、数多くのお遍路さんがすでに集まっております。午後5時には社務所も閉まってしまいますので、早寝早起きの健康生活となります。また、多くのお寺は険しい山の中にあります。例えば45番岩屋寺は何処まで岩道を登っても山門にたどり着かない様な感があります。また、71番弥谷寺は、一挙に420段の階段が続いております。登らなければお参りができませんので足腰が鍛えられることになります。

しかしながら、お四国参りの本筋はやはり「信仰」でしょう。弘法大師が歩かれた足跡を辿り、お大師様と同行二人で八十八カ所を参拝することで心が浄化されます。遍路道の何気ないツツジの色に心を吸い寄せられ、山中のどこからか聞こえる鶯の声に聞き惚れます。普段であれば何でもないことに対してもお四国参りでは心が開きます。現世で契りを結びながら家族を残して先立たれてしまったかけがえのない人の菩提を弔い、御仏様のお陰により現世で有り難いご縁を頂いている多くの方々のために回向文を読んでご繁栄とご安寧を祈る旅でございます。こちらへ帰ってきますと、次は何時お四国参りに又いけるだろうかと思うほどなぜか心惹かれます。皆様も一度「観光・健康・信仰」を兼ねてお四国参りをされてはいかがでしょうか。

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