俺は10年間有給休暇ゼロだぞ!
◆それを威張ってはいけません
 昔気質のサラリーマンは会社に滅私奉公することが美徳とされておりました。滅私奉公することでいつかは会社もこれに報いてくれるということがこれまでの日本社会の構図でした。

この結果、俺は有給休暇など取ったことがないとか、10年間有給ゼロを自慢する社員が多くおりました。私の損保勤務時代で警察官職域団体保険を担当していた頃の話です。県警本部長経験者の代理店常務は、部下に海外旅行を認めたことなどないと自慢しておりました。もしも管轄に事件があったらどうすると言われたらそれまでです。別な警察官OB社員の話では「親が危篤です」と連絡したら、「まだ死んでないんだろ」と言われたそうです。

程度の違いはあれ普通の一般会社でも同じことです。有給休暇申請をおずおずと上司に出したところ、「あの件はまだ片づいていないのに休むのか?」と睨まれたら休暇申請を取り下げざるを得ません。私自身の経験でも、産気づいた妻を病院まで送るので少し遅れますと会社へ連絡したところ、当時の課長の一言が「おまえが産むのか?」でした(これ、本当の話です)。今となっては笑い話ですが、このように有給休暇をとることは、会社に不誠実・不真面目な社員という風潮があったことは確かですし、社員の方も有給ゼロを誇る傾向がありました。

◆働き方改革で有給取得に事業主責務が発生します。
先日国会で働き方改革関連法案が可決されました。働き方改革法の目的は「働き過ぎ」を防ぎながら、「ワークライフバランス」と「多様で柔軟な働き方」の実現を目指しております。

中小企業といえども働き方改革法に対する適切な対応が求められますが、まだ少し猶予時間のあるものには、例えば2020年4月実施(残業時間の上限規制)や2023年4月実施(時間外勤務60時間超の割増率改定)等があります。しかし来年4月より直ぐ対応が必要となるのが、社員の有給取得5日の義務化です。これは年間有給休暇を10日以上付与されている社員には1年間で5日は有給を取得させなければならない新しい働かせるルールとなります。

これまで有給は社員側の取得申請により行われており、有給付与日数が10日以上で有給がゼロの場合でも、特にお構いなしで良かった訳ですが、来年4月からはどうしても5日以上は休ませなくては法令違反となります。どうしても休まない社員に対しては、事業主から有給取得時季を指定して休ませることになります。

事務所より一言
日本体育協会問題で思うこと
最近の社会事件報道では、新たに日本体育協会のパワハラ事件が取り沙汰されております。レスリングやボクシングの協会団体と同様な騒動とぼんやり見ておりましたら、暴力行為で永久追放されたコーチがM選手に平手打ちを行う場面が報道されました。強烈な右平手打ちと左平手打ち、そのたびにM選手の小さな身体が吹っ飛びます。それでもM選手は健気にも姿勢を正しますがコーチの怒号は止みません。
私が分からなくなったのはここからです。それだけの事をされながらもコーチを永久追放したのは間違いだ、非は日本体育協会にあるとM選手は堂々と世間にアピールしております。そして、この様な暴力を受けた場面を勝手に放映した方が悪い、さらには第三者委員会のメンバー選定に不公平があるなど首をかしげる言動がありました。私は第三者委員会のメンバーでもありませんし、M選手にも言い分があるとは思いますが、私がM選手の親であれば指導と暴力を取り違えた凄まじい暴行シーンを見ただけで二度と愛娘を預ける気にはならないと思います。また、あの様な暴力を受けなければ成長できないのであれば選手を辞めさせます。

嗚呼、早稲田三朝庵
先月号で東京医科大学が女性の合格比率を下げるために不正な選定を行っていたことを取り上げました。私の場合逆な望みを持っておりました。なにしろ早稲田大学は圧倒的に女子学生が少ない、女性には少しくらい加点をして女子学生を増やして貰いたいという思いがありました。女子学生に人気の青山学院のイメージソングといえば「学生時代」です。♪つたのからまるチャペルで祈りを捧げた日 夢多かりしあの頃の思い出を辿れば♪ 清楚で美しい女性を彷彿とさせる曲で私も大好きです。女子学生が集まる訳です。その一方で我が早稲田大学の第二校歌ともいうべき「人生劇場」は♪やると思えばどこまでやるさ それが男の魂じゃないか 義理がすたればこの世は闇だ♪これではむくつけき男ばかりの集団になります。
ある日は用も無いのに本キャンパスから5分ほどの文学部に男ばかり4〜5人で出向き、コーヒー牛乳を飲みながら女子学生を眺めたこともありました。
本キャンパスと文学部の中間にあったのが歴史112年の蕎麦屋三朝庵であり、私にはとても思い出深いお店です。苦労をかけて育ててくれた今は亡き母を卒業式に連れて行きました。その当時でも卒業式に母親連れは目を引くものでしたが、なんと言われても親孝行が先だと思いました。そして、なんと私は最後の機会と学生服で参加しました。これも目立ったと思います。今思うと相当ハイテンションになっていたと感じます。卒業式後に入ったのがこの三朝庵です。緊張しながらも美味しそうに天ぷらそばを食べていた母親を思い出すことがあります。
8月29日日経の文化欄に、「早大生と歩んだソバ屋」で三朝庵女将が店じまいを報じておりました。事前に通知すると昔を懐かしむ人が殺到するということで閉店後に店じまいの張り紙を出したそうです。
卵とじカツ丼とカレー南蛮発祥のこの店で尾崎士郎や井伏鱒二が原稿を書き、早稲田雄弁会の竹下登や小渕恵三がヤジの練習をした由緒ある三朝庵の店じまいはわたしにも色々な事を思い出させます。
(これは立て替え後の今の三朝庵です)

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