再び65歳超雇用推進助成金120万円について
助成金ビジネスを長く手がけておりますと、その時々の政策課題をバックアップするような大型助成金が突然現れることがあります。すでに1月号でご紹介しております65歳超雇用推進助成金も120万円という久し振りの大型助成金ですので改めてご案内いたします。貴社に助成金対象となる従業員がおられたら是非ご活用をお勧めします。
◆65歳超雇用推進助成金の新設目的
65歳超雇用推進助成金は、高齢者の実働年齢を引き上げ戦力化するという我が国の政策を受けて、定年年齢を引き上げあるいは定年年齢を廃止した企業へ支給される助成金となっております。
◆このような従業員がいればチャンスです
現在の貴社の就業規則定年年齢が65歳の場合に、定年を66歳以上(定年の廃止を含む)に引き上げすることで120万円の助成金額となります。つまり、僅か1年の定年延長でもこの助成金の対象となります。
助成金対象労働者とは:
(1)事業所で勤続1年以上の60歳以上64歳の方が1名以上在籍されていること(雇用保険に入っていることが必要です)。
(2)対象労働者の雇用が65歳まで雇用契約で保証されていること。このため途中で契約終了となる有期労働者は対象とはなりませんのでご注意ください。
◆上記以外のバージョンもあります
上記助成金は現在の就業規則定年年齢が65歳の場合ですが、会社によっては定年年齢を例えば60歳とし継続雇用制度で65歳等を導入している企業もあると思います。このような場合にも助成金額が次の通り支給されます。
1.定年年齢を65歳へ引き上げ➞100万円
2.継続雇用年齢の引き上げ
(1)66歳〜69歳➞60万円
(2)70歳以上 ➞80万円
なお、65歳以上で継続雇用されている方も対象となる可能性がありますのでお問合せ下さい。
事業所重点監督結果が公表されました
◆当局から目を付けられている事業所が対象
昨年11月実施された厚生労働省「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果が本年3月13日にニュースリリースされました。
今回の重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる7,014事業場に対して集中的に実施したものです。その結果、4,711事業場(全体の67.2%)で労働基準関係法令違反を確認し、そのうち 2,773 事業場(39.5%)で違法な時間外労働が認められたため、それらの事業場に対して、是正に向けた指導が当局から行われました。
◆200時間を超える違法残業もありました
違法残業の中で、時間外・休日労働の最も長い労働者の時間数を事業所毎1カ月当たりで見ると次の通りです。
(1)80時間超 :1,756事業所
(2)100時間超:1,196事業所
(3)150時間超:257事業所
(4)200時間超:52事業所
月間200時間超の残業と簡単に言いますが、これが労働者の心身にどれだけ大きな影響を与えることか考えを及ぼす必要があると思います。一般的な社員の月間労働時間は160時間から170時間ですが、200時間の残業とは月間労働時間を超える時間外勤務となります。また、一月を時間換算すると平均720時間ですが、1日の半分以上が労働時間となり、オフワークによる心身回復は期待できません。しかもこれは当局重点監督で明らかになった実態です。労働者の健康維持を真剣に考えなければ、電通事件と同様の悲惨な事故が起こることを使用者としては肝に銘じるべき事と思います。
連続プラスが続く「パートタイマー時給」の最近の相場
◆関東4都県の募集時平均時給は1,000円を突破
パートタイマーの平成28年12月の平均時給は、関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)で1,020円でした(アイデム人と仕事研究所が3月3日に公表した集計結果による)。
職種別では、「専門・技術職」で前年同月比マイナス88円の1,203円となったほかは、「事務職」「販売・営業職」「フードサービス職」「運輸・通信・保安職」「製造・建設・労務職」「その他」のいずれもプラス7〜68円で増額しました。
伸び率が高かったのは、「運輸・通信・保安職」の前年同月比プラス68円の1,057円と、「フードサービス職」の同プラス12円の924円でした。
◆西日本の平均時給の伸びは東日本を上回る
関西3府県(大阪・京都・兵庫)は990円で前年同月比9円プラスと関東4都県の2円プラスを上回りました。
職種別では、東日本と同様、「専門・技術職」で前年同月比マイナス27円の1,267円となったほかは、いずれも9〜44円プラスでした。
伸び率が高かったのは「販売・営業職」の前年同月比プラス44円の893円、次いで「製造・建設・労務職」の同プラス37円の927円でした。この点は、東日本と異なる結果です。
◆医療・介護・保育業界の人材確保に影響
「専門・技術職」は前年同月比で東京都区部や神奈川県はマイナス107円、京都府はマイナス200円といずれもマイナスです。
この「専門・技術職」とは、看護師・准看護師、看護助手、薬剤師、歯科衛生士、歯科助手、介護福祉士、介護ヘルパー(2級以上)、保育士です。
いずれも人手不足が深刻な職種で、時給のマイナスによりさらなる悪化が懸念されます。
事務所より一言
今回ご紹介した65歳超雇用推進助成金は助成金額が大きく,皆様のご利用をお勧めしており成果も上がっています。しかしながら、この助成金業務を厚労省から委託している独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構はお役所仕事の最たる所であることをこの助成金を進める中で知りました。書類の厚さだけで7p〜8pの書類を作り上げて送付したところ、僅かな部分で未記入があると、その7p〜8pの書類をそのまま返却してきます。情け容赦がありません。少しの事だからそちらで記入してくれても良いのではないかと思いますがそうは行きませんので、作成にとても神経を使います。泣く子と地頭には勝てぬという昔からの言葉を思い出しております。
助成金ビジネスを長く手がけておりますと、その時々の政策課題をバックアップするような大型助成金が突然現れることがあります。すでに1月号でご紹介しております65歳超雇用推進助成金も120万円という久し振りの大型助成金ですので改めてご案内いたします。貴社に助成金対象となる従業員がおられたら是非ご活用をお勧めします。
◆65歳超雇用推進助成金の新設目的
65歳超雇用推進助成金は、高齢者の実働年齢を引き上げ戦力化するという我が国の政策を受けて、定年年齢を引き上げあるいは定年年齢を廃止した企業へ支給される助成金となっております。
◆このような従業員がいればチャンスです
現在の貴社の就業規則定年年齢が65歳の場合に、定年を66歳以上(定年の廃止を含む)に引き上げすることで120万円の助成金額となります。つまり、僅か1年の定年延長でもこの助成金の対象となります。
助成金対象労働者とは:
(1)事業所で勤続1年以上の60歳以上64歳の方が1名以上在籍されていること(雇用保険に入っていることが必要です)。
(2)対象労働者の雇用が65歳まで雇用契約で保証されていること。このため途中で契約終了となる有期労働者は対象とはなりませんのでご注意ください。
◆上記以外のバージョンもあります
上記助成金は現在の就業規則定年年齢が65歳の場合ですが、会社によっては定年年齢を例えば60歳とし継続雇用制度で65歳等を導入している企業もあると思います。このような場合にも助成金額が次の通り支給されます。
1.定年年齢を65歳へ引き上げ➞100万円
2.継続雇用年齢の引き上げ
(1)66歳〜69歳➞60万円
(2)70歳以上 ➞80万円
なお、65歳以上で継続雇用されている方も対象となる可能性がありますのでお問合せ下さい。
事業所重点監督結果が公表されました
◆当局から目を付けられている事業所が対象
昨年11月実施された厚生労働省「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果が本年3月13日にニュースリリースされました。
今回の重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる7,014事業場に対して集中的に実施したものです。その結果、4,711事業場(全体の67.2%)で労働基準関係法令違反を確認し、そのうち 2,773 事業場(39.5%)で違法な時間外労働が認められたため、それらの事業場に対して、是正に向けた指導が当局から行われました。
◆200時間を超える違法残業もありました
違法残業の中で、時間外・休日労働の最も長い労働者の時間数を事業所毎1カ月当たりで見ると次の通りです。
(1)80時間超 :1,756事業所
(2)100時間超:1,196事業所
(3)150時間超:257事業所
(4)200時間超:52事業所
月間200時間超の残業と簡単に言いますが、これが労働者の心身にどれだけ大きな影響を与えることか考えを及ぼす必要があると思います。一般的な社員の月間労働時間は160時間から170時間ですが、200時間の残業とは月間労働時間を超える時間外勤務となります。また、一月を時間換算すると平均720時間ですが、1日の半分以上が労働時間となり、オフワークによる心身回復は期待できません。しかもこれは当局重点監督で明らかになった実態です。労働者の健康維持を真剣に考えなければ、電通事件と同様の悲惨な事故が起こることを使用者としては肝に銘じるべき事と思います。
連続プラスが続く「パートタイマー時給」の最近の相場
◆関東4都県の募集時平均時給は1,000円を突破
パートタイマーの平成28年12月の平均時給は、関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)で1,020円でした(アイデム人と仕事研究所が3月3日に公表した集計結果による)。
職種別では、「専門・技術職」で前年同月比マイナス88円の1,203円となったほかは、「事務職」「販売・営業職」「フードサービス職」「運輸・通信・保安職」「製造・建設・労務職」「その他」のいずれもプラス7〜68円で増額しました。
伸び率が高かったのは、「運輸・通信・保安職」の前年同月比プラス68円の1,057円と、「フードサービス職」の同プラス12円の924円でした。
◆西日本の平均時給の伸びは東日本を上回る
関西3府県(大阪・京都・兵庫)は990円で前年同月比9円プラスと関東4都県の2円プラスを上回りました。
職種別では、東日本と同様、「専門・技術職」で前年同月比マイナス27円の1,267円となったほかは、いずれも9〜44円プラスでした。
伸び率が高かったのは「販売・営業職」の前年同月比プラス44円の893円、次いで「製造・建設・労務職」の同プラス37円の927円でした。この点は、東日本と異なる結果です。
◆医療・介護・保育業界の人材確保に影響
「専門・技術職」は前年同月比で東京都区部や神奈川県はマイナス107円、京都府はマイナス200円といずれもマイナスです。
この「専門・技術職」とは、看護師・准看護師、看護助手、薬剤師、歯科衛生士、歯科助手、介護福祉士、介護ヘルパー(2級以上)、保育士です。
いずれも人手不足が深刻な職種で、時給のマイナスによりさらなる悪化が懸念されます。
事務所より一言
今回ご紹介した65歳超雇用推進助成金は助成金額が大きく,皆様のご利用をお勧めしており成果も上がっています。しかしながら、この助成金業務を厚労省から委託している独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構はお役所仕事の最たる所であることをこの助成金を進める中で知りました。書類の厚さだけで7p〜8pの書類を作り上げて送付したところ、僅かな部分で未記入があると、その7p〜8pの書類をそのまま返却してきます。情け容赦がありません。少しの事だからそちらで記入してくれても良いのではないかと思いますがそうは行きませんので、作成にとても神経を使います。泣く子と地頭には勝てぬという昔からの言葉を思い出しております。